河出文庫<br> 奇蹟

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河出文庫
奇蹟

  • 著者名:中上健次
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 河出書房新社(2014/12発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309413372
  • NDC分類:913.6

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内容説明

金色の小鳥が舞い、夏芙蓉の花が咲き乱れる紀州・新宮の路地。歌舞音曲に現を抜かし若死にするという七代にわたり仏の因果を背負った、淫蕩の血に澱む一統・中本。「闘いの性」に生まれついた極道タイチの短く苛烈な生涯が、老産婆オリュウノオバ、アル中のトモノオジにより幻惑的に語られる。人間の生と死、その罪と罰を問うた崇高な世界文学。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ノコギリマン

36
『枯木灘』をひさびさに読んで、物凄く感動してしまったので、ほぼ間を置かずに『奇蹟』を読みました。時系列的には『枯木灘』の前日譚で、浜村龍造が出てきたときには「ウホッ!!」ってなりました。とにかく「イクオ外伝」という中盤の章が凄い。しかも『枯木灘』のときにはまだ実験的にやっていた口碑伝承的な文体がもう完成の域に達していて、もう読みながらゾクゾクと鳥肌が立っちゃう感じ。日本近代文学の白眉、中上健次、またまた堪能しました。他のも読もう。2015/07/25

ヘラジカ

26
時系列的には、長編『千年の愉楽』と『枯木灘』の間に位置をなす作品。衰退していく路地の一時代に活躍した中本の一統タイチを主役として語られる、謂わばピカレスク小説である。相変わらず淀んでは流れるような文章に消耗するが、引き込む力も、やはり相変わらず圧倒的だ。読んでいてなんとなくホメロスが脳裏にちらついて不思議に思ったが、反復するセンテンスが口承文学を志向しているとの解説を読んで膝を打った。読者に対する半端ない牽引力もそんな口承文学の特性に根ざしているのかもしれない。2015/02/15

michel

20
★4.8。読み終えてしまいたくなかった、もっとこの中にいたかった。初の中上健次さん。とにかく読み辛い文章に、始めは挫折しそうになった。ふと気付くと、作者の虜となっている。路地(被差別部落)にて生まれたタイチ。若死にを宿命づけられた中本一統の澱んだ血を持つタイチの一生。抗えない中本七代に渡る仏罰を、種になる前から背負うタイチ。トモノオジとオリュウノオバが寄り添い見守る。夏芙蓉の甘い匂いを放ち、金色の小鳥に囲まれ、極道のタイチが仏の掌に乗って行った極楽が見えるよう。タイチに惚れる。中上健次に痺れる。2018/06/24

真琴

11
★★★★★ 高貴な汚れた血が流れ、宿命的な短命、美形の中本の一族。中本の血の流れる極道タイチの短い生涯が描かれる。「路地」という被差別部落で生きる者たちの息遣いが伝わってくる。短い生涯を遂げた彼らへの鎮魂歌でしょうか。2023/07/24

うえうえ

11
正直、思っていたのと違った。『千年の愉楽』ファンとしてはあの幻想感を期待していたが、それより、切った張ったの世界が余りに長々と描かれていて、退屈した。『千年の愉楽』も切っただったけど短編連作で主人公が変わったから大丈夫だったのかな? 『枯木灘』ファンとしては浜村龍造が出て、あっ、ってなった。2019/03/06

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