内容説明
歴史の碩学で、国際政治を動かしてきた戦略家であるヘンリー・キッシンジャー博士は、新著『ワールド・オーダー』の中で、次の四つを指摘している。(1)アメリカが超大国であるかどうかが明確でなくなったこと。(2)中国が力を増し、アジアに新しい緊張をもたらしていること。(3)中東がイスラムの宗教的な対立によって、底知れない混乱と分裂に巻き込まれていること。(4)国家とは何かを明確にしたウエストファリア条約以来360年の間に確立した政治体制が崩壊しつつあること――である。著者(日高義樹氏)は本書において、キッシンジャー博士が「新しい世界の秩序」に向かう動きとして指摘した四つのうち、とくに中国に焦点を当て、中国の海軍力増強の野望が潰えたことと、オバマ大統領による対中融和政策の失敗について詳述している。中国の海軍力増強はなぜ失敗に終わったのか。これからアジア、太平洋に何が起きるのか。ワシントン情報から読み解く最新情勢。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Eiichi
25
アメリカの対中政策の間違いが指摘されていて、オバマが、如何に、オバカで有るかがよく描かれていた。日高さんの指摘の答えが出るのも極近い事の様に思います。2015/03/15
0717
14
中国と妥協することだけを外交目標としたオバマ大統領の対中国政策がアメリカ国民から大きな反発を受け、一方アメリカに対抗する中国大海軍を作り、世界の海を制圧しようとした中国の目論見も失敗に終る。世界は、複数の国家が対立する新たな群雄割拠時代を迎えるが、その原因は、アメリカの核の独占体制が崩れ、多くの国々が核兵器を持つようになったこと。日本も感情的にならず核兵器保有について議論すべき。2015/08/08
九曜紋
10
2014年12月初版のもの。当時の世界情勢を再確認するために読了。国際政治面でのオバマ政権の無為無策を批判。オバマは中国のプロパガンダに惑わされ、必要以上に中国の軍事力を恐れ、米中二国で「G2」を作ろうとした。これは昔、イギリスのチェンバレンがドイツのヒトラーに対し宥和策を取ったがゆえに陥った状況に似ている、とのこと。日本は米国と戦略的関係を再構築すべし、そして結論はいつもと同様。安倍政権による集団的自衛権の解釈改憲を讃えているが、そこは違うだろう。憲法に定められた手続に拠るべき。2015/04/03
ヘタ
7
アジアは危険な地域となった。殊に、世界第二位の経済力を背景とした中国の軍備増強はす凄まじい。しかし、この軍事力は張りぼてだと。日本は米国との関係を再構築してアジアに新秩序をつくるべきだと。中国の軍事力は大したことはない、米国と日本は軍事的優位にあるというのもそうなのかもしれないです。が、これらは米国が全面的に中国と対決しようとしていることを示していることにはなりません。日本の一人合点にならないよう、米国の意思に注目したいです。踊らされて、日本だけが火中の栗を拾う役をおっかぶせられるのは御免ですからね。2015/10/25
父帰る
7
ごく最近出た本です。オバマの中国融和政策の結果、アジアが世界で最も危険な地域になった。オバマの外交の失敗に依って、世界は地方大国主義の時代に突入。ここで言う大国とは、アメリカ、中国、ロシア、イランである。アメリカも地方の大国に成り下がってしまったと。これから先、世界は混乱の時代に入ると。アジアの秩序を維持するには日本とアメリカが新たな日米安保条約を結んで、日本が積極的に集団的自衛権を活用して、アジア各国の港に海自基地を構築することを推奨。核武装も検討する時期だと。中国海軍は恐れるに値しないと。2014/12/17
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