内容説明
海軍きっての知米派の大井篤大佐が若き日の米国留学を回想した貴重な記録。軍上層部へ反対する気骨がどのように育まれたか、若き知性派軍人の熱い思いが伝わる。阿川弘之氏の長男、阿川尚之氏の書き下ろし解説を収録。
※本書は、雑誌「水交」に連載された「保科さんと私」を改題し、書き下ろしを加えたものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
17
元・海軍参謀の大井篤氏が大尉時代に米国事情研究のため世界恐慌直後の米国に渡って学び、かつ米国各地を見聞した回想録。外国研究と理解とはかくあるべしと考えさせられる。大戦間の頃、太平洋を挟む仮想敵で次第に不穏の度を増す情勢下にありつつも日米が対等のパートナーとして関係し合えていた良き一時代を偲ぶ貴重な資料でもある。ともに渡米した敬愛する上官・保科中佐をはじめとする同僚達のユーモア溢れる逸話も多く、当時の愉快な留学を追体験できると思う。第二部の阿川さんの解説も程良い補完となっていて非常にバランスがいい一冊。2015/11/21
ごいんきょ
1
こういう本で米国の民主主義に触れることができるなんて思いもよりませんでした。2015/02/20