内容説明
本書は、一休が最晩年の10年間を同棲した盲目の女琵琶師・森女との物語が中心です。足利義政の時代の虚構に満ちた仏教界を嫌悪し、常識に囚われない「禅の神髄」を示そうと肉と魚を喰らい、酒をあおり、遊郭に出入りした一休が、77歳で森女と出会うことで、なぜ変わったのか。80歳で大徳寺の住職となり、応仁の乱で焼けた伽藍を復興。森女との交情のうちに一休が見出した「人の道」「無我無欲の境地」を描きます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バーベナ
2
室町時代に北朝:帝と南朝:母の血を引いて産まれた千菊丸(のち一休さん)。手先が器用で、芸事のセンスもあって、禅とはなんぞ、を悩みながら実践する。常識を破りすぎて、僧侶って何?みたいな。でも、そんなあれこれを晩年を共に過ごした盲目の琵琶師:森女が、彼の淋しさをふんわりと優しく包みながら語るので、物語に吸い込まれる。良き恋人に出会えてふたりとも良かった。ふたりの会話はグッくる。あと、蓮如さんに出した手紙「あれこれ」も最高。余談ですが表紙の絵と著者はとても似ている気がする。びっくりした。2022/05/31
takao
1
ふむ2024/10/27
タキ
1
時に芸・美の達人で、時に煩悩にのたうち回る人間、一休宗純の生涯を爽やかに紡ぐ。一歩間違えれば気儘に人生を過ごしたとなるエピソードにも清々しさを感じ、信長・海舟と共に私の日本史上のアイドルだと確信。また、どこまでが「史実」で、どこからが創作かはわからないが、良寛と貞信尼とはまた違った二人の情愛には、憧れと羨ましさしか憶えない。惜しむらくは、特に森女自身の登場以降の、目あき以上に真実が見える、では無理がありすぎる描写の明瞭さに違和感が拭えなかった。しかしそれを割引いても本作は今年のトップ5に入るだろう。2015/07/16
日の丸タック
1
一休宗純⁉️ この人の本当の姿を殆ど知らなかった。 風に流され、雨にうたれ…肩肘張ることなく自然体で過ごす。 本来の姿、本物の持つ凄み‼️ 形ばかりの張りぼてを嫌う‼️ 禅の本来の姿は、げに美しきものか⁉️ 自由人 一休宗純ここにあり❗️2015/04/20
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