内容説明
あるゴミ屋敷の清掃をすることになった特殊清掃員。期間は二日間。作業は順調に進んでいたが……いてはいけないもの、片付けられない部屋、様相を変え続ける内装……これは現実なのか、それとも……!?
※この作品は、第二十一回日本ホラー小説大賞佳作となった「牛家」に、書き下ろし作品「瓶人」を加え、文庫化したものが底本になります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
300
まだ38歳(2022年)というお若さのホラー作家・岩城裕明さんの日本ホラー小説大賞の佳作受賞作「牛家(うしいえ)」に書き下ろし1編を加えた中編集ですね。著者は既にデビューされていて本書の前に2冊を書かれていますね。『牛家』はゴミ屋敷を舞台にして不条理な世界が展開するグロテスクな血みどろホラーで完全には理解できませんがおぞましい悪夢の如き雰囲気を楽しめばよいでしょう。『甕人(かめびと)』は人を襲わないゾンビを父に持つ少年の物語で祖父の発明により父が不死者となりますが離婚した母の再婚相手が最悪の男なのでした。2022/02/15
モルク
99
日本ホラー大賞佳作の表題作、特殊清掃員の主人公はゴミ屋敷の清掃に行くが、そこは異次元の世界…現実なのか幻なのか、狂気の世界に引き込まれながらもなぜかそこに馴染んでしまう主人公、そして彼の病んだ妻。不条理という言葉がぴったりの作品。もう一作の「瓶人」は、死んだ人を瓶の中に入れ果物と水で三日間浸けておくとできるゾンビ。メンテナンスも大変だが、「主人」のために甦る。純粋な家族愛を描き、ホラーなのに思いがけず感動した。2018/10/02
Bugsy Malone
84
ゴミ屋敷、かたいゴミやわらかいゴミねちゃねちゃしたビニール袋に液の入ったペットボトル。まざまざと脳内に浮かび上がる家中を埋め尽くすあらゆるゴミ。読み進め不条理な出来事に遭遇するも異質な空間に取り込まれた事と軽妙な文章ゆえに、こんなこともあるんだろう、と錯覚してしまう怖さを感じる「牛家」。ゾンビ物にも関わらず、少年の心を通した語り口にほのかな哀切を見出してしまう「瓶人」。探しに探して見つからず、試し読みキャンペーンのおかげで読めたこの本、何だか分からないけれど、この作家さんはいいなぁ、と感じてしまいました。2018/12/02
H!deking
79
もう大分前に読友さんにおすすめしてもらってずっと読みたかったのを、こないだ書店に行ったときに夏のホラー特設コーナーで今更やっと見つけました!牛家と瓶人の2作の短編ですね。いやー、瓶人めちゃくちゃ面白かった。文体もリズム感が良くて好みでした。初読みの作家さんですが他のも読んでみよ!2023/08/14
GAKU
79
読友さんに薦められ初めて読んだ作家さん。日本ホラー大賞佳作で表題作「牛家」はゴミ屋敷に清掃員としてやってきた主人公が、不条理な世界を体験するお話。もう一話収録の「瓶人」はゾンビのお父さんとの、狂おしいほど純粋で切ない親子愛?読み易いが今一何がどうなっているのか良く分からない。まぁ深く考えずにシュールな世界を楽しめば良いのでしょうか?「牛家」に関しては汚くてグロいですが、この手の作品に免疫が出来ている私としては、もっと刺激を!といった感じでした。2017/02/05
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