内容説明
週刊文春に7年にわたり連載された「私の読書日記」がこの一冊に!
老年へのギア・チェンジ、いまだ完了せず。生と死の摂理などちんぷんかんぷん。朝起きて虫になっていたとしても、ちっとも不思議じゃない……。斯界にあって特異な存在感を放ち続ける名優・山崎努が、出会った書物を通じて人生を観照する。思いつくまま気の向くまま、自然体の老境がなんとも心憎い名品エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つねじろう
64
以前読んだ俳優のノートみたいな芝居の話かと思ってたら彼の読書日記だった。山崎努は好きな役者だ。一癖も二癖もある所や色気も狂気も感じさせるところが良い。顔のシワと語り口それに声も好い。そんな彼独特の口調で気に入った本をレビューして行く。贔屓筋は有るもののその守備範囲は芥川比呂志や佐野洋子、熊谷守一の画集やアラーキーの写真集まで幅広く大変な読書家であった。ベースにその人の仕事や人物自身に対するリスペクトが有るので自ずと視線は柔らかい。職人が職人芸を認める目を感じる。とても面白いけどどの本も読みたくなって困る。2014/12/04
goro@80.7
51
個室本棚で毎日少しづつ読んで読了。山崎努氏の書評の高さに驚きました。芸達者とは大変失礼ですが表現を生業にしている方は舞台が紙の上となっても味があるなと感心しました。自身の経験なども語りながら味のあるエッセイにもなってる。語るものを持つ人の文章は味があるわ。週刊誌の連載をまとめたものですが、もっと続けて欲しい。読みたい本がまた増えた。2017/10/28
こばまり
46
連載中から当コラムのファン。夜長にゆっくり楽しもうとしたが、手にしたらあっという間。しかも読みたい本がてんこ盛りに。何故今かと問われれば深夜放送で何度目かの「お葬式」を観たから。あなたのこと好きですと伝えたくて著作を買う。2017/02/11
あつこんぐ
12
新聞?で紹介されていて読みたかった本。黙っていると怖そうですが、実は意外とおちゃめな方なのかなと思いました。こんな上司の下で働きたいです。2015/11/16
橘
11
面白かったです。山崎努さんは俳優としても幅広い役を演じられてて好きでしたが、文章も気さくで読みやすくてますます好きな俳優さんになりました。選書も幅広く、山崎さんのエピソードも楽しかったりほろりとしたりで片っ端から読みたくなります。読みたい本も増えました。笠智衆さんのエッセイ部分で、『晩春』を観たくなりました。小津安二郎監督の指示を変更した俳優さんがいたとは…… 2024/06/19