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内容説明
日本陸軍の将官と参謀のために“軍の統率”のあるべき姿を説いた作戦指導書――統帥綱領。わが国古来の伝統のうえに、日清・日露の両戦役、第一次大戦など世界各国の戦訓や軍事書を加味したもので、日本人の体質に最も適応したと言うべき兵書である。その示唆するところは、兵書のみならず優れた経営書、人生哲学書としても名高い。本書は、明治生まれの陸軍参謀(中佐)で、戦後は“兵法経営論”を確立して企業経営者から絶大な支持を受けた著者が、統帥綱領・統帥参考・作戦要務令の要点を、古今東西の戦史を繙きつつ“社長学”の観点から解説する。「統帥(大軍の指揮)とは方向を示して、後方(補給)を準備することである」「指揮とは、決心を準備し、決心し、決心を実行に移す作業」「先制は部下に対しても必要なり」「敵が決戦の意図を持っている限り、結局、これを避けられるものではない」など、難局を打開するトップの心得を凝縮した珠玉の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デューク
1
帝国陸軍による門外不出の兵書、統帥綱領の解説書。 軍の指揮も、会社の経営も、「多くの人々の力を結集して目的を達成する」という共通点がある。だから孫子や戦争論などの兵書がビジネス書として読まれているのだろう。この統帥綱領はそれら古典のエッセンスと、明治陸軍の戦訓と、古今の戦史がミックスされた書である。リーダーの心構えと、戦力集中の要諦が学べる一冊。おすすめ。2015/01/20
SAKU
0
名前だけ見ると「軍靴の足音が…」と拒否反応を示す人もいるかもしれないが、軍隊をそのまま会社などの組織に置き換えると1つのビジネス書として読むことができる。特に将帥(リーダー、トップ)についてはかくあるべし、というところが多く、自分の組織は?と考えると色々思うことが出てくるだろう。軍隊と会社、勝利と営利というところで、本質は変わらないとすると、本書は必読書と言ってもいいと思う。2017/07/22
大森黃馨
0
……読み進めていて、ふと違和感を覚える。が、それはこの書への否定的では、無い。嘗ては、例えば山鹿素行のような江戸時代ないしそれ以前の思想書、こうした太平洋戦争の時期までの本とは、違った感触を覚えていたものだった(太平洋戦争期までの書はリアルタイム性が高く、生々しいものだったのだ)。だが今回の読中に感じたのは、山鹿素行等に等しき感触であり、そこに戸惑いを覚える。そうか、先の戦争のみならずこの書が書かれた時期からもあまりにも経ち、古典の仲間入りする程までに、年月は流れ過ぎ去ってしまっていた、という事なのか。2021/12/17
satoru
0
集団を動かす原則の精髄である軍隊の綱領。一度は読んでおいて損はない。2018/07/08