内容説明
安倍バブル崩壊へ――。円安、大増税、所得減‥‥戦後最悪の「危機の連鎖」が日本を襲う。
予想される景気失速、株価急落、大量失業。まさに正念場を迎えた日本経済を徹底予測する。
いまの日本経済は、人間で言えば「息が止まりそうな」状況だ。消費や企業の設備投資、住宅投資、そして輸出と、まさに総崩れと言ってよい。あとは公共投資くらいだが、これも我が国の危機的な財政状況から、そう多くは望めない。日本経済には、経済を成長させるエンジンが一つもなくなってしまったのだ。
このような状況で、消費税を10パーセントにしたら、先のリーマン・ショック以上の危機に陥る可能性が大きい。今回は、成長エンジンがみな奪われてしまっているわけで、一時的なショックで済む保証はどこにもない。それどころか、一気に「負のスパイラル」が生じ、大不況へと突入する懸念が強いのだ。(本文より)
【主な内容】
序 章 第一次世界大戦前と酷似している現代の世界
第1章 成長のエンジンをすべて失った日本経済
第2章 アベノミクスの「成長戦略」に見える危険な本質
第3章 金融バブルにすがるしかない米国経済
第4章 デフレ突入の瀬戸際に追い詰められた欧州経済
第5章 大疾走が終わる時:新興の勢い萎える新興勢
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T坊主
6
1)学者は批判はできても、処方箋はなかなか出てこない。2)今の経済は今までの延長しか考えられない人達がやるのであれば。誰がやっても同じことではないでしょうか?3)大規模な金融緩和はやはり異常だと思う。儲けるのはほんの一部。中国と同じじゃない?4)グローバル化が進み、貿易赤字が膨らむ中でも、国民の暮らしを守り、豊かにする方策を考えるのが政治の使命。間違った現状認識に基づいて策を講じれば、効果が見込めないどころか国を危うくする、現実を直視しなければ、正しい判断はできない。2016/04/21
terbagus
1
2014年に戦後最大級の危機は来たのだろうか?まずは前著の内容について総括してほしかった。文章も読みやすさを考慮したと思うが、ふざけすぎていて読みづらく感じた。30年前、経済学者は「商社冬の時代」とか「重厚長大産業から軽薄短小産業へ」と大騒ぎしていたが、今になってみるとおおはずれだったことがわかる。当時から言われていたことは、「経済学は分析はできるが予想には向いていない」ということであった。2015年に心配なことは貨幣価値の下落によって生活がどうなるかだと思ったので、この本を手にしたのだが・・・2015/01/09