内容説明
近藤誠の「がん治療」のすべてがわかる本。
「若いドクターのスキルアップのために」手術を選択する医者、ウニの放射線実験をいきなりがん患者に試す治療など、40年間がん治療の現場に携わってきた近藤誠医師が目の当たりにした患者不在の恐ろしい医療の実態とは?
「患者のための治療」を貫き、安易な手術や抗がん剤治療を批判したことにより、万年講師として慶應義塾大学病院で定年を迎えた近藤医師が病院や医療権力との闘いを赤裸々に告白。そして、その中でわかった「がんよりも怖いがん治療」に警鐘を鳴らす。
一方で、退職後に開いたセカンド・オピニオン外来でのアドバイス「がんとのつきあい方」「最先端医療の可否」「薬や検診の問題点」などについてもわかりやすく解説。
患者の総合医でありたいと願う近藤医師の最強・最良の処方箋となる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とろとろ
12
この人が言うことは、ガンは怖くないから治療なんかしなくてもよいという考えで、だから今のガン治療はすべて間違いだと言う。なんか新興宗教みたいだ。また、例に挙げて言ってることが古いし、都合の良い例で一方的に自分が正しいと言い張る、俗に言う所の典型的な嫌われ役のようだ。実際、自分が万年講師であったことは、医療制度が悪いと云って正当化し、更には医者は患者を騙そうとしているから患者も騙されないようにしなくてはならないとも云う。自分も医者なのに言い分が根本的に矛盾している。これは信用に値しない話だと思った(-。-;。2015/04/10
ニケ
7
信じる信じないは個人の自由だが、私には納得するだけのものがいくつもあった。2015/05/12
ペカソ・チャルマンチャイ
4
今まで読んだ同著者の本と違い、データやグラフがほとんどなく、また、著者がこの考えに至った経歴などが詳しく書かれているため、読み物として面白い。患者を救うはずの医者が、自らの飯の種、もっと言うと、私服を肥やすためだけに患者を切り刻むのは、著者が言っている通り、犯罪なのではないか。一般の患者には手術を促し、身内や自分の時は放射線治療を行うとは、医者の矜持を信じていたのに、裏切られた。そう考えると、この本は、どんなホラー小説よりも怖いかもしれないな。2015/11/26
まっさん
2
今月号の『紙の爆弾』にこの人の話題が出ていた。近藤先生の『がん放置療法』とは『競馬場には行くが馬券は買わない』に例えられるそうだ。確かに買ったひとのほとんどはソンしてるわけなので買わないのも1つの選択だ。治療の効果というのが個人差がとても大きいということでギャンブルだということらしい。統計的にはがん治療の有無と生存率に関連は無いそうだけど... 個々の人生は『統計』の数字とは別で,個別的なものだから。俺だったらどうするかな。2015/04/09
めろりん
2
大病や緊急時には焦って少ない情報で判断してしまって、後で悔やむ(過去の経験では)。なので普段から情報集めて、考えて、いざって時の後悔を減らしたい。そんな感じで読んでました。勉強になりました。2015/02/18