内容説明
「がん哲学外来」提唱者が贈る言葉の処方箋。
がんになっても、人生は続く。がんになってから、輝く人生だってある。
がんと告知されてから患者さんが心に抱えることは、「病気、治療、死に対する不安が3分の1で、あとは人間関係の悩みが実はいちばん多い。家族、職場、医師……それまでなんとも思わなかった周囲の言動に反応して心が傷つくのです」と、「がん哲学外来」の提唱者で発がん病理学者の著者・樋野興夫先生は言います。
「がん哲学外来」とは、多忙な医療現場と患者さんの「すきま」を埋めるべく予約制・無料で開設された、今もっとも注目を集める「対話の場」です。約60分、著者はがん患者やその家族とお茶を飲みながら、不安や精神的苦痛を直に聞いて解消できる道を一緒に探します。そして、どんな境遇にあっても「人はいかにして生きるか」という人生の基軸となるような「言葉の処方箋」を贈っています。その数は延べ約3000人にも及びます。
本書は、がん哲学外来の「言葉の処方箋」を初めてまとめた待望の一冊。著者自身が影響を受けた新渡戸稲造や内村鑑三、病理学の師である吉田富三ら偉人たちの語り継がれる金言から、哲学的なのにユーモアあふれる一言まで、読めばくじけそうな心が元気になる、人生に「いい覚悟」を持って生きるための言葉にあふれています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanki
18
がん、余命。「あなたには、死ぬという大切な仕事が残っている」使命感への気づき、いい覚悟。2023/10/11
Hamken100%
7
母の友だちが、お見舞いとして届けてくれた本。がんに罹った人への言葉の処方箋。目次を見ただけで心が軽くなったので、自分も読んでみた。残念ながら、現代医学が進んでいると言えども、まだ全てのがん患者を医学で救えるわけではない。そんな時、必要になるのが言葉の処方箋なのだと思う。「悩んでいる者の日々はことごとくつらく、心の楽しい人は常に宴会をもつ」2016/08/21
かんな
2
鈍くさい私f ̄∇ ̄*)実は誰かの救いになっていたのかしら?2018/09/04
Woody
1
生きて行く上での、含蓄のある言葉の数々を、説明されていて、じっくり噛みしめながら読む本。42018/03/17
okatake
1
がん哲学外来を主催する著者のことばの処方箋。5章に分けて50ほどの金言がちりばめられていいます。2人に1人はかかる病いである「がん」。「がん」とともに最後の人生を歩む方も増えてきています。その最後の時に心に寄り添いながら支援する「がん哲学外来」。これからさらに必要とされてくるでしょう。こころの支えを専門家にやってもらえることは家族とは違う安心感も与えてくれるはず、今後の著者の活動を応援したいです。そして、最新作を読むのも楽しみです。2015/09/17