内容説明
日本は「右傾化」しているといわれている。ネット右翼、憲法改正論、中国や韓国との軋轢、さらには「美しい国」ニッポンという自画自賛など、たしかにその兆しはあるようにも思える。
しかし、はたしてこれらは本当に右翼の台頭を示すものなのだろうか? 右翼による社会改革はありえるのか?
本書は、日本に蔓延する「右翼的」な雰囲気の正体を、国内の経済衰退と自信の喪失、日米中韓の関係性の変化から読み解き、右傾社会の実体を明らかにしていく。さらに、政治家や官僚などエリートが右傾化することに警鐘を鳴らしつつ、厳しさを増す国際環境をサバイブできる合理的な「中道・右翼政権」の出現を期待する。
目次
第一章 右傾化とはどういう現象をいうのか?
第二章 「右傾化」と「普通の国になるべきだ論」と「排外主義」は同じものか?
第三章 右傾化しているのはどういう人か? ネット右翼は本当に低学歴・低所得・底辺層のモテナイ君か?
第四章 日本はなぜ右傾化するようになったのか?
第五章 日本の右傾化のリアル度数
第六章 右翼は社会変革できるのか?
第七章 現代ニッポンでもっとも危険なのは右翼ではなく激しく変化する「お任せ民主主義」
第八章 うつろいやすい世間の右傾化の裏で進むエリート達の右傾化にこそ気をつけよ!
最終章 右傾化はどこまで進むのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
49
個人的に「ネトウヨ」という語を使う本は信用しないようにしている。「非国民」や「革命の敵」という語同様、見えない対象を無理矢理型に嵌めて良しとして思考停止しているから。ただこの本はそれらに比べて中立的。右傾化の原因を経済による閉塞感と断じているのは表層的だが、左派やマスコミの失墜に対するカウンターの分析の部分は面白く読めた。ただ著者の私怨も混じったような結論部分については同意しかねる事多し。蔑視する立場からみれば流される彼らは危険な存在かもしれないが、大衆というのはもっと世間知を備えていると思うから。2015/06/04
1.3manen
27
ナショナリズムとは自分の国に対する誇り、この国に生れて・育ってよかった思い(29頁)。今や、放射能に格差で果たしてどうなのかと痛感する毎日。右傾化は批判ばかりの左翼が国民から見捨てられたから(65頁~)。対案、代案、オルタナティヴが不可欠な批判が必要か。右傾化とは、右翼的考えが日本社会に徐々に浸透していること(74頁)。私は、ナショナリズムをサッカーW杯や五輪招致に見出したタイプの人。著者が奉職する大学の大学生は、日韓嫌いという(91頁)ので、森嶋通夫先生の東アジア共同体は画餅に帰すのか? 2015/02/04
軍縮地球市民shinshin
13
「右傾化」とはどのような意味か、それは本当なのか、だとしたら日本社会はどの程度進行しているのかを考察した本。ただ、「右傾化」の定義がそれまでの日本社会と比較して、というところが曲者だと思う。国際的には日本社会は「右傾化」していない。僕に言わせれば今までが「左傾化」しすぎていたのだ。戦後70年というのが、「特異」な環境に置かれていた社会ではないかと思う。ただこの本にはそういったことを抜きにしても問題点が多い。データを引用することなく、著者の主観で話を進めている。安易に書かれた本としか言いようがない。2016/04/27
takeapple
5
日本は完全に右傾社会であることを論証している。著者はご自分の立ち位置を保守で右翼であるとしているけれど、そういう人から見ても、現政権の横暴ぶりは目に余るようだ。確かに本当の右翼なら、日本国民の幸せを第一に考えるべきだもんねえ。2015/03/02
steve
2
確かに日本は右傾化している。国力が衰えているので、中国や韓国に対して上から目線で対処出来なくなって来たという理由は分かり易い。さらに右傾化することは避けられないということであるが、在徳会やネトウヨなどは困ったものだ。ところで、戦反思想ではなかった永遠の0に泣いて損したという下りは、まさにその通り。百田尚樹にはがっかりだ。2014/12/06
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