講談社文庫<br> プシュケの涙

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講談社文庫
プシュケの涙

  • 著者名:柴村仁【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 講談社(2014/11発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062778893

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内容説明

夏休み、補習中の教室の窓の外を女子生徒が落下していった。自殺として少女の死がひそかに葬られようとしていたとき、目撃者の男子に真相を問い詰めたのは少女と同じ美術部の由良だった。絵を描きかけのまま死ぬはずがない。平凡な高校生たちの日常が非日常に変わる瞬間を鮮烈に描いた、青春ミステリーの傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りゅう☆

104
目の前で女子高生が飛び降りて死んだ。忘れたい光景なのに変人と呼ばれる由良が目撃者の榎戸川と旭に近寄ってきた。吉野は本当に自殺だったのか?旭の彼女に驚き、吉野の死の真相に辿り着いた時、いい感じで騙されたミステリーと思った榎戸川語りの前半。でもなぜ由良は吉野は絶対に自殺ではないと言い切ってたのか。彼らの関係は?吉野の死の真相が分かるからこそ切なさが募る後半。吉野語りの後半だけならキュンとした素敵なラブストーリーとして読み終えたのに…。でもこの構成だからこそ違った印象を持つ物語になる、これは面白いと思いました。2018/06/11

へくとぱすかる

90
一瞬、アンフェアか? と思って該当箇所を読み直した。なるほどね。うまいものだ。そして本のちょうど真ん中あたり。あれ? もうラストなのかと勘違いしてしまった。これが実はこの作品の見所、いや、読みどころだった。単にミステリではなく、この作品が他ならぬ「小説」なんだと思い知らされた。切ない。そしてタイトルを見直して、初めてその深い意味に気がつく。唸るほどにいい作品でした。2015/01/20

mio217

61
読友さんのレビューを読んで、ずっと読みたかった本。冒頭の飛び降り自殺をする少女のシーンが衝撃的で怖くもあるけれど、幻の様な感じがして、そこから話に引きこまれる。高校生の青春ミステリだけど、青春という爽やかな名を付けてはいけないくらいに、それは、とても、哀しく残酷で。読み終えて、表紙がとても切なく。きっと再び表紙をめくって読み始めると、今度は涙で読めないのではと思う。この話の構成が憎い。こんな構成にするから余計に哀しいんだと、作者を恨みたくなる。なんだろう、この腹立たしい気持ち。やるせないな。2018/03/11

りょうこ

54
読みやすいので、サクサク読んでたら油断してました。最後はちょい涙もの。構成が良い。ってゆうか構成勝ち!なるほどねぇ。次作も手元にあるのでさっそく読みます!2014/12/03

美葉

48
3回目の再読だけれど、ページをめくる手が止まらなくて、すぐに読み終わってしまった。素敵な本。 話の構成が凝っていて、なんというか、良い意味でずるい本。読み終わったあと、感情の波がじわじわくる。吉野の救われなさが切ない。どんな絵を描くつもりだったんだろう。2019/10/17

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