内容説明
江戸南町奉行・根岸肥前守鎮衛。通称、耳九郎のところには、今日も奇怪な話がやってくる。ある日、老掏模の河童の平六が、北町奉行所同心とともにやってきた。足を洗いたいという平六にはある相談事があった――(「河童の平六」)。善良な庶民に情け深く、悪には厳しい人情奉行・根岸鎮衛が江戸の理不尽を爽快に裁く! 江戸弁の小気味よさが響きわたる傑作時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だいゆー
5
耳袋秘帖とは違った根岸肥前守鎮衛の活躍。2014/10/23
ちゃぼ
1
林望が時代小説?と思いつつも、根岸肥前守が主人公で短編集なら、と手にとった。 江戸言葉や当時の振る舞いがふんだんに散りばめられた文章は、クドさと紙一重。軽妙な語り口は耳袋に倣ったか。 気軽に読める一冊。2015/01/19
Junnko Simmura
0
リンボウ先生の時代小説、さぞシニカルかとおもいきや「旧き善き」と思わせるようなお話だった。ちょっと古くさい語り口といい、お奉行とその部下、のんきな浪人、小器用な薬売りに足を洗ったもと凄腕の掏りと、そのまま昔の金曜夜八時の時代劇になりそう。決め台詞まであるし。楽しい読み物でした。きっとリンボウ先生もきれいな娯楽のために書いたんだろうなぁ2015/04/09
isutabi
0
『耳嚢』で有名な、南町奉行である根岸肥前守鎮衛が公にせず比較的穏便に、なおかつ関わった人物それぞれにとってなるべくいい結果になるようコトを収めた事件のいくつか。まあ、人情系といえるでしょうか。鎮衛のキャラクタがいい。2022/07/10