内容説明
宮本武蔵天下無双の二刀流ここに生まれる。
孤高の剣客・宮本武蔵。その生い立ちは苛烈きわまりないものであったことは、あまり知られていない。母親の愛を受けられず、父・無二斎に木刀で打ち据えられる日々。いつしか武蔵は人の心を無くしていった。しかし一方で剣の道では、そんな父との関係から多大な影響を受けることとなる。剣客である父の流儀は当理流十手剣術。後年、武蔵は、父無二斎の当理流から着想を得て、独自の二刀流を編み出し、希代の剣豪宮本武蔵が誕生することとなる。息詰まる凄絶な親子関係を描いた表題作「武蔵と無二斎」。他、6編の剣客にまつわる物語を収録。剣の時代を生きた男達の生き様に迫る。
感想・レビュー
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sin
8
宮本武蔵の本では無く、剣豪短編集。宮本武蔵と武蔵の父の無二斎。粗暴で冷酷な剣豪の父を超えようとする武蔵と、その才能に怯えるがの如く武蔵と佐々木小次郎との対決にも絡んでいて、討ち果たした武蔵に敗北感を感じ去っていく…。 若い頃の塚原卜伝、塚原卜伝の秘伝一之太刀を受け継ぐ者、海北友松、柳生の異端者、それぞれ読み応えのある短編でした。2015/01/09
BIN
6
剣豪の短編集。新免無二斎、宮本武蔵、竹内久勝(捕手術)、塚原卜伝、田丸直昌(一之太刀の後継者)、海北友松(絵描きにして槍の達人。斎藤利三の朋友)、柳生源之丞(石舟斎の孫の異端児)。無二斎って結構長生きしていたんだなあというのと、吉川英治の武蔵とぜんぜん違うのが印象的。竹内久勝や海北友松、柳生源之丞とか知らない人物も多く、どれも面白い短篇でした。2016/06/11
万太郎
2
吉川英治さんの宮本武蔵とは、全然違う野性的な武蔵の話に、ワクワクしながら読んでいたら短編であっという間に、終わってしまいました。しかし、他の短編の主人公の話も妙に、引き込まれる話が多く、久々のほぼ一気読み状態で読了2014/11/17
だっち
0
★★★☆☆2016/03/25