21世紀の貨幣論

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21世紀の貨幣論

  • ISBN:9784492654651

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内容説明

マネーとは何か。なぜ人はマネーに翻弄されるのか。
気鋭のエコノミストによる、定説を覆す斬新なマネーの進化史。

マネーをめぐる6000年の歴史をひもとき、経済学と資本主義の未来を問う。

■伝説の哲学者ジョン・ロックが経済学に間違った思想を植え付けた!?
・経済学思想の源流をたどり、歯に衣着せぬ大胆不敵な主張を展開。

■物々交換の不便さから、マネーという最強の発明が生まれたという定説はウソ!?
・ケインズとフリードマン、なぜ2人の偉大な経済学者が
『ヤップ旅行記』という地味な本を賞賛したのか? 
斬新な着想で次々と定説を覆す、知的刺激にあふれた本。

■圧倒的な読み応え。いまをときめく著名人たちも絶賛!

読みやすくてスリリング。もし一冊だけマネーに関する本を読むとしたら、これがその本だ。
ハジュン・チャン(『世界経済を破綻させる23の嘘』著者)

すばらしくオリジナルで面白いマネー史。システム全体がこんなにも危険で、
慢性的に不安定なことに思いをはせたことがある人は、この本を読むべき。
ライアカット・アハメド(ピューリッツアー賞受賞『世界恐慌』著者)


【主な内容】
第1章 マネーとは何か
第2章 マネー前夜
第3章 エーゲ文明の発明:経済的価値を標準化する
第4章 マネーの支配者はだれか?
第5章 マネー権力の誕生
第6章 「吸血イカ」の自然史:「銀行」の発明
第7章 マネーの大和解
第8章 ロック氏の経済的帰結:マネーの神格化
第9章 鏡の国のマネー
第10章 マネー懐疑派の戦略:スパルタ式とソビエト式
第11章 マネーの構造改革:ジョン・ローの天才とソロンの知恵
第12章 王子のいない『ハムレット』:マネーを忘れた経済学
第13章 正統と異端の貨幣観
第14章 バッタを蜂に変える:クレジット市場の肥大化
第15章 大胆な安全策
第16章 マネーと正面から向き合う

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

55
私は貨幣論ということで読もうと思ったのですが、どちらかというと貨幣を媒介にした経済史の本であると思いました。信用制度とものの交換の媒体としての貨幣の位置づけなどが幅広く語られていてこの分野では面白い観点からの読み物でした。21世といっているので、もう少し電子マネー的なことやビットコインなどのことについて語っていてくれれば言うことなしなのですが。2015/06/09

Willie the Wildcat

30
信用に基づいた価値の尺度であり媒介。一国の国民ではなく、国際的評価。政治・経済が絡むことで、主観的・人為的な変動にも繋がる。但し、突き詰めると、人間の欲が引き起こしている”混乱”に過ぎない。”神格化”・・・、同感。一方、気になるのが「欲への歯止め」。貨幣の持つ魔力の齎す矛盾という気がする。活かすか、それとも操られるのか。故に、著者の「民主政治」も公共性を齎す制度が鍵ではなく、動かす人間、特に政治家の倫理観次第という気がする。 2015/06/01

壱萬弐仟縁

30
13年初出。ヤップ島のマネーシステムの本質:債権と債務を管理しやすくするための信用取引・清算システム(20頁)。マネー:社会的技術。思想と慣習(49頁)。古代メソポタミア―官僚主義の原点。世界初指令経済の発展へ(58頁~)。アリストデモス:金だ! 金が人間のすべてなのだ!(警句、93頁)。稷下学宮(しょくかがっきゅう):中国で有名な学問の中心地 (115頁)。マネーは共同体の所有物(オレーム、137頁~)。英語の経済書ステュアート『政治経済学の諸原理の研究』1767年(171頁)。 2015/04/19

はるわか

23
信用取引・決済のシステムこそマネー。マネーは単なる信用ではない、譲渡することが可能な信用なのだ。インフレが進めば債権の価値は目減りして債務者の負担は軽くなり、富は債権者から債務者に移転した。デフレが進めば逆方向の移転が起きた。貨幣鋳造権・通貨発行利益(シニョリッジ)。どの支払約束にもリスクがあり、リスクの程度は信用力と流動性の特性に左右される。2017/07/03

羊山羊

19
貨幣が、信用から来ることを歴史から論じ、今までの経済学がいかに貨幣を軽んじ、理論に拘泥していたかを論ずる1冊。MMT理論の理解に最適の本だ。歴史や実務家の間では、既に貨幣=信用として無意識のうちに運用されている事例がいくつもあった。また、経済の後退や危機に際して大事なのは、資金注入やソブリンマネーを通してお金の信用を保証していくことが大事だと説く。また、現在の経済学は人類学、貨幣論、歴史学などと融合して総合的な理論構築を目指せと発破をかける。類書を読んだことがないなら是非おススメ。興味深かった。2019/06/30

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