角川学芸出版単行本<br> 人は必ず老いる。その時誰がケアするのか

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角川学芸出版単行本
人は必ず老いる。その時誰がケアするのか

  • 著者名:本田徹【著者】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • KADOKAWA(2014/10発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784046533098

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内容説明

仕事も身寄りもなく一人で生きる高齢者をサポートする「超高齢社会の縮図―東京・山谷」。そこでの画期的な地域連携型ケアネットワークを通じて、誰もが必ず経験するであろう他人事ではない【老後の現実】を考える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かっぱ

41
山谷で無料診療を続けるNPO法人シェアの医師による著書。「ドヤ」が「ヤド」を逆さに読んだ言葉だということを知りませんでした。ここに集まるのは「老い」、「病」、「死」に直面した時に、傍らに家族の存在が無いという人たちです。25年後ぐらいには、全世帯の中で、「独居」の占める割合が40%ぐらいになり1位になるという予測。核家族でさえ、世帯人数が多い方であるという時代がやってきます。山谷はそんな未来の超高齢化社会日本の姿を先取りした地域とも言えるのです。2015/10/11

壱萬弐仟縁

26
山谷の高齢者:長年の過酷な労働の結果→高血圧、心臓病、COPD、肺結核、肺がん、肝硬変、脳血管障害、精神疾患、アル中、膝や腰椎の変形性疾患など慢性疾患、医者通い(6頁)。ホームレスをステレオタイプで見てはいけない(32頁~)。アルマ・アタ宣言のプライマリ・ヘルス・ケア:すべての人々にとって、健康に生きることは、基本的人権であり、そのために必要な医療・保健のサービスを地域において、住民自身も参加して作り上げていくことが、これからの医療のあり方である(42頁)。 2015/04/24

fu

21
一般論的なタイトルと中身が異なる。平成26年には65歳以上の人口が半数を超える、いち早く高齢化社会を迎えた山谷(ドヤ)の事例を紹介。病、貧困、ホームレス、孤族など医療福祉問題があふれるエリアで活躍する地域ボランティアネットワーク。人と人との有機的つながりが網目からこぼれ落ちていく人をなくす。印象的だったのは、医療福祉の世界は共感能力が高ければ高い人ほど向いているわけではなく、「苦境にある人、精神的・肉体的に苦しんでいる人に全面的に共感してしまうと自らの心身がもたなくなる」ということ。2015/09/29

まゆまゆ

4
昔のドヤ街であった山谷で取り組まれている地域ケアネットワークのルポを中心とした内容。そこでは居場所を失って流れてきた人達に対して居場所を提供することで支援を行っている実態が綴られている。将来超高齢社会になる日本は誰もがこのような状況になる可能性を秘めている。プライマリ・ヘルス・ケアといういのちの格差を無くす理念を取り入れた支援がこの先必要になる。2014/11/11

しゃんしゃん

3
日雇い労働者の町、山谷で30年以上に渡って常設完全無料診療所を続ける医師が世界に先駆けて超高齢化社会に突入した日本の課題を明確にし未来の道筋を指し示す一書。裕福だろうが貧しかろうが命の価値は変わらない。誰もが山谷で暮らす可能性を持つ時代。ひとりで生を全うするのは皆等しい。だからこそ皆で助け合い、尊重しあって生きていく必要があるのではないか。プライマリ・ヘルス・ケアの根本精神は田中正造の「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」という。考えさせられた。2016/02/22

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