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内容説明
かぶき者たちと遊郭の賑わい、船遊びや湯屋の遊興・歓楽的な景観、一邸だけ描かれた武家屋敷・向井将監邸と家紋。近世初期風俗画のさまざまな謎から、屏風の注文主と制作時期を割り出す見事な歴史推理を読む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメヲトコ
2
出光美術館所蔵の江戸名所図屏風についての謎解き。描写内容の仔細な分析から、注文者とその背景を鮮やかに推理していく過程は相変わらず面白い。それにしても毎年1冊本を出しますとは、凄いエネルギー!2015/08/07
Wataru Hoshii
2
黒田先生の江戸図屏風読解シリーズ第3作。とりわけ面白い屏風だけに、わくわくしながら読んだ。いつも出光でこの屏風をみるときは、生き生きと描かれた風俗描写を眺めるうちにどんどん時間がたってしまうのだが、その描写を読み解くことで、向井五郎左衛門正俊という注文主にたどりつく推理は、いつもながら緻密でスリリングだ。次にこの屏風をみるときの見方が絶対に変わってくる。次作は舟木本洛中洛外図だとか!なんと来年が楽しみなことだろう。2014/12/29
Meistersinger
2
出光本と呼ばれる屏風の注文主と目的は何かに迫った一作。描かれている内容(かぶき者への愛着)と絵の作成時期との照合から「向井五郎左衛門正俊」と推定している。絵に描かれた内容については建物の建設時期(建設以降にしか絵にされる筈がない)や運搬用の牛の使用開始時期から製作時期を絞りこんでいる。また人も髷の形など対象種別ごとに総数を数え上げている。金雲は遠近や高低、場面転換・時間経過そして装飾といった機能をもつということから、「何処と何処が直結されているのか?」と推定している。2014/12/16
onepei
1
満足。しかし家紋がなぜ上下さかさまに描かれたのかについての考察がほしかった。2014/10/21