中公文庫<br> 回顧七十年

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中公文庫
回顧七十年

  • 著者名:斎藤隆夫【著】
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  • 中央公論新社(2014/10発売)
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  • ISBN:9784122060135

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内容説明

二・二六事件の熱さめやらぬ昭和十一年五月、議会での「粛軍演説」で喝采を浴びた民政党議員・斎藤隆夫は、四年後に「支那事変処理」についての質問演説を問題視され除名処分を受けた。陸軍を中心とする「革新」派が台頭する中、「現状維持」を訴えてやまなかった保守政治家の自伝。〈解説〉伊藤 隆

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ikuto Nagura

6
粛軍・反軍演説で有名な斎藤隆夫の自叙伝。百姓だけはやりたくないと、苦学して弁護士となったのち政界に出たという経歴通り、民衆目線を持ち続けた政治家だったことは理解できた。子を喪いながらも政争と選挙を戦い抜き、政党政治を守ろうとする姿にも感動した。だけど、彼が政治家となった動機、というか政治家として何を成したかったのかは、最後まで書かれていなかった。斎藤が結局は無任所大臣としてしか登用されなかったのは、そういう現実主義的な政治家だったからなのか、または農民出身の出自のせいか、それとも反骨精神ゆえなのだろうか。2016/06/08

Masayuki Shimura

4
[一徹]高校の日本史では「粛軍演説を行った人」という文脈でのみもっぱら取り上げられることの多い斎藤隆夫ですが、その保守性や議会中心主義の考え方、また,政治家とはどうあるべきかというところまで本書から読み取ることができ、自分にとっては新たな斎藤隆夫を「発見」することになった読書でした。2017/11/27

ぱぴ

2
昭和初期、2度に渡る粛軍演説を行い議員を追放された政治家本人による自伝。言葉少なめで要点だけ述べるような非常に簡素な内容だが、謙虚さ、無骨さ、我慢強さ、胆力などの著者の人間性がよく滲み出ていて噛みしめたくなるような文章だった。 物事の核心を容赦無く突き詰める見事な二つの歴史的反対演説は、理路整然としつつも胸がギュッとつかまれるような、心の琴線に触れる文脈が甲斐見え、何度も胸が熱くなった。2022/07/28

熱東風(あちこち)

2
良書。/近代史に関して私が反応してしまう単語が幾つかある。『金解禁』『ロンドン軍縮会議』など、浜口内閣に関する物と並んで、この著者である斎藤隆夫がその一つだ。政党が没落していく中、政党人としての誇りを抱いて、台頭しつつあった軍部に真っ向から物を言えた気骨ある政治家。基本的に回顧録というのは自己弁護や自己正当化の色が濃いので(この斎藤はそうでもなかったが)、あまり読むことを好まないのだが、本書の購入の決め手は巻末に、かの著名な演説二編が収録されていることだ。この部分だけでも充分な読み応えあり。2014/10/10

Tomy

2
戦前、軍国主義が台頭する中、粛軍演説、反軍演説を敢行し軍の圧力を受け議員を除名されたものの、その後の選挙で議員に返り咲き戦後には国務大臣を務めるなどした気骨ある政治家の回顧録。「政治に主義なし、否国家の実情に適当する政治これ即ち最上の主義なり。」という言葉が印象的でした。ただ情熱と気骨があるだけでなく、冷静に現実を見つめることの出来たその眼差しの鋭さこそが彼の政治家としての本髄であったのかもしれない。実に「格好良い男」でした。2014/09/28

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