幻冬舎単行本<br> アートにとって価値とは何か

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幻冬舎単行本
アートにとって価値とは何か

  • 著者名:三潴末雄【著】
  • 価格 ¥1,496(本体¥1,360)
  • 幻冬舎(2014/10発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344026414

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内容説明

アートの価値とは何で決まるのか? 日本人のアートは西洋人にとって土人のみやげものなのか? 日本の現代美術界において常に台風の目となってきたミヅマアートギャラリーの闘いのすべて。

海外では草間彌生、村上隆、奈良美智などを筆頭にした日本人アーティストが脚光を浴び、目の飛び出るような価格で作品が売り買いされている。そんな中で常に日本の現代美術界の中心にいて気を吐いていたのが三潴末雄率いるミヅマアートギャラリーだ。彼は、毒と批評精神に溢れた作家を世界に紹介するとともに、「ジパング」展等の展覧会を積極的にキュレーションし、会田誠、山口晃、O JUN、鴻池朋子、天明屋尚、宮永愛子など注目すべき作家を輩出した。彼の四半世紀の過程は、まさに日本人が日本のアートをどうやったら世界に認めさせることができるのかという歴史でもあった。アーティストを評価し、売り出すこと、アート作品を売買することの中で、いったいアートの価値とは何なのか。本書はその闘いの集大成である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

79
ミズマアートギャラリーの代表を務める三潴さんの現代アート論(2014年刊行)。日本のアートが置かれている状況や問題点、ミズマがこれまで輩出してきた会田誠や山口晃、鴻池朋子、宮永愛子などの交流と作家論、アートマーケットの潮流とギャラリー運営、日本のアートを国外に広める活動などを紹介している。現在、オリパラに合せて会田誠展「愛国が止まらない」が開催中だが、この本で会田について、「人々が触れてほしくない、忌み嫌うようなものを確信犯的に露出して、ミクロな不快の回路を通して政治的な大きな問題につなげる作家である」→2021/07/29

nizimasu

9
これだけきっぱりとした現代アートと日本のおかれているポジションについてきっちり解説している本はないだろう。それはミヅマギャラリーという日本の現代アートギャラリーの御仁が書いた故の本だからだ。それだけに、ちょっとした自慢や耳が痛い日本人への皮肉めいたこともちょいちょいカアをのぞかせるが、身銭を切ってアートと向かい合ってきたその自負と身体言語にはヒレフするほかないだろう。多分、村上隆さんなんかとすごく共通する部分も多くて、直接的ではなさそうだが薫陶を受けているような気がします。日本にはアートよりガッツが必要2015/05/03

Salsaru

6
なんとなく、観てるアートを体系立てて、背景も踏まえて観るとまた違う視点や面白さが出てくることがわかった。タイミングも大事か。アートは深い。もっとわかるようになりたい。

S.J.

4
国際的に高い評価を得た日本人作家の多くも、詰まるところ西洋の思想的文脈において解釈され、価値付けられてきたにすぎない。欧米のアート市場は巨大であり、彼らのルールに従わざるを得ないということもある。しかし著者の三潴氏は日本独自に培われたコンテキストには欧米に負けない歴史的蓄積があると訴える。彼の戦略は日本文化のポテンシャルを梃に、縄文的/土着的発想をもって西洋中心の芸術的価値観と市場の脱構築を目論んでいるかのようだ。ドン・キホーテのようにも見えるが、彼の率いるミヅマアートギャラリーの今後の活躍に期待したい。2019/07/31

鉄路のほとり

2
日本の現代美術を追っている人なら知らぬ者のない、ミヅマアートギャラリーのオーナー三潴末雄氏の回想記。ギャラリスト(アート・ディーラー)と呼ばれる方々の実態に疎かった自分にはとても勉強になった。会田誠や山口晃をはじめとした日本の作家たちを売り込んでいくプロセス。コレクターの役割の重要性(精神科医・高橋医師のコレクション)。ガゴシアンギャラリー(ジェフ・クーンズやダミアン・ハーストを売り出した世界最大のギャラリー)の功罪など。2020/01/19

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