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内容説明
産休・育休や育児支援制度が整った今でも、総合職の女性の多くが、出産もしくは育休後の復帰を経て会社を辞めてしまうのはなぜなのか。また会社に残ったとしても、意欲が低下したように捉えられてしまうのはなぜか。2000年代に総合職として入社し、その後出産をした15人の女性(=「育休世代」と呼ぶ)に綿密なインタビューを実施。その分析を通して、予想外の展開に悩む女性の姿と、そう至らしめた社会の構造を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
63
均等法から30年、今は育休の時代。働くことの平等のさらに先を目指す社会になった。これまでの男女平等は男と女を同じ存在と見做すのではなく、女を男と同じ存在とみなす理念を押し付けた。そこで評価されたのは男と競争する「名誉男性」。ところが、これでは出産や育児の際の選択により、その後の振れ幅が大きくなり過ぎる。私的、公的に教育投資をした女性の能力が社会的な意思決定過程に反映されないことは費用対効果に見合わないだけでなく社会の損失。男女は競争ではなく協働。置かれた場所で咲く努力、よく咲く場所に置く努力が求められる。2016/02/24
よーこ
25
女性活躍が推進される昨今、昔に比べ、産休・育休などの制度は整ってきたかのように思われる。それでも育休から職場復帰し結局辞めてしまう人がいたり、また会社に残っても意欲が低下しているように見えるのは何故なのか。そこには「そこまでしてする仕事なのか」という女性の葛藤があった。結局『職場のあり方』が夫婦関係を規定したり、個人の人生の満足度を左右する。職場としては、社員が育児をしていることに対し、無配慮もいけないが、過剰に配慮しやりがいを奪うのもいけない。また育休後、仕事内容を変えないことが重要というのは納得。2016/12/29
katoyann
24
総合職として採用されたものの、途中で退職した女性15名へのインタビュー調査を基に就労継続を志向する女性のジレンマについて分析した研究書。社会学の修士論文が基になっている。女性は就労継続のために、育児のための時短勤務に関する配慮があるマミートラックという出世に縁のないキャリアコースを選ばされることが多いという。これは先行研究通りだが、出世を目指して職場で働いている女性が「男性中心的な企業論理」(281)を内面化してしまい、結果としてそのキャリアモデルが男性中心的な組織の論理を強化するという分析に本書の(続く2023/01/27
織川 希
23
★★★★★ 客観性から心の叫びを映し出す書物。本書は、2010年代に育休を取得した女性たちを対象に、彼女たちが抱える仕事と家庭の間の葛藤について論じている。もとは修士論文であり、それを筆者自らが加筆修正して書籍化したものだ。出版されたのは2014年なのに、女性たちが心に抱える苦しみや怒りは、10年経った今でもさほど変わらない。そのことは、今まさに育休世代となる私自身が自信を持って断言できる。本書執筆の動機は苛立ちだったという筆者へ、私たちの悲痛な叫びを代弁してくださったことを心から感謝したい。2023/02/07
あおい
23
課題のため。筆者独自の調査は結構面白く読めたが、やや説明がわかりづらく冗長に感じられたのと、結論が期待していたより薄かった気がする。2018/08/31
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