集英社新書<br> 誰が「知」を独占するのか ――デジタルアーカイブ戦争

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集英社新書
誰が「知」を独占するのか ――デジタルアーカイブ戦争

  • 著者名:福井健策【著】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • 集英社(2014/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087207569

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内容説明

「アーカイブ」とは、従来図書館や博物館が担ってきた、過去の文書や映像・音楽などを収集・公開する仕組み。いわば「知のインフラ」であり、その有効活用によって社会が得られる利益は計り知れない。しかし近年、アーカイブのデジタル化に伴い、これら「情報資産」を巡る国境を越えた覇権争いが激化している。グーグルやアマゾンなどアメリカ発の企業が世界中の情報インフラを掌握しつつある一方で、お粗末極まりないのが日本の現状。本書では世界を巻き込んだ「知の覇権戦争」の最新事情を紹介し、日本独自の情報インフラ整備の必要性を説く。【目次】はじめに/第1章 アーカイブでしのぎを削る欧米/第2章 日本の大規模デジタル化プロジェクトたち/第3章 知のインフラ整備で何が変わるのか/第4章 「ヒト・カネ・著作権」/第5章 最大の障害「孤児作品」/第6章 アーカイブ政策と日本を、どう変えて行くか/あとがき

目次

はじめに
第1章 アーカイブでしのぎを削る欧米
第2章 日本の大規模デジタル化プロジェクトたち
第3章 知のインフラ整備で何が変わるのか
第4章 「ヒト・カネ・著作権」
第5章 最大の障害「孤児作品」
第6章 アーカイブ政策と日本を、どう変えて行くか
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オサム兄ぃ

7
国際取引にも通じた気鋭の弁護士の知見が盛り込まれており、鋭い指摘は関係者にとても有意義な本だ。各種審議会委員等、国レベルの事業にも通じているので、提言は戦略的かつ実践的。刺激的なタイトルが示すように、文化資産情報に対してGoogle社を筆頭とした米国ICT企業は次々と事業化を仕掛けている。これを現代文化・文明の本家を自認する西欧諸国は面白く思っておらず、対抗してプロジェクトを興し、多くの予算を投じているのだという。で、我々はどうするのか? 本書は考えるきっけになる。個人的には図書館の人に特にお薦めした。2016/02/22

konomichi

6
著作権を活動の場とする弁護士による、昨今のデジタルアーカイブに関する警鐘と提言。欧米でのアーカイブ活動とその進め方、法制度を紹介し、日本と比較、論じたもの。一番の話題はやはり、孤児作品。これを読むと、クールジャパン?本気で言ってるの?と思わされる。全てのコンテンツ関係者、必読です。2015/02/19

tolucky1962

5
権利者を見つけられずに承諾を得るのにコストがかかりすぎる著作権の問題によるデジタルアーカイブの難しさが説明されている。国内外の法整備の現状や解決のための提言なども示されている。文化への国家予算+寄付の額が他国に比較して日本が突出して少ないこと、国立国会図書館デジタル化プロジェクト10年間の予算が道路180メートル分に相当というのは象徴的でした。2014/11/20

onaka

4
デジタルアーカイブを国策として推進させるためにどんな法整備や仕組みづくりが必要なのか。著者による10の提案はそれぞれ興味深く納得感あり。特に、孤児作品の問題は言われてみればその通り。欧州流の調査認定とオプトアウトを基本とした制度の方が、日本の文化庁長官の裁定制度よりも断然いい。知のインフラ整備に向けた、専門家による丁寧な議論。好感触!2015/05/31

リョウ

3
グーグルを初めとしたアメリカ西海岸のIT企業が世界の知を独占しようとするのに対して、ヨーロッパの各国がそれぞれ対抗しようとする。そんな動きの中、日本は知財立国、情報立国と言いながら未だにコンクリートを作り続けている。公判は孤児著作権の話がメイン。権利者が誰か、またどこにいるのかが分からなくなったために、利用できなくなってしまったコンテンツがどれほど多いことか。著作権によって本来守るべき権利が異常に保護されていることで、守る必要のないものまでが守られ、それによってコンテンツが死に至っている。2018/09/20

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