内容説明
寂しい島だった。だがそこには、支え合った友がいた、愛し合った恋人がいた――エジンバラ市警の刑事フィンは、イギリス本土から離れた故郷に望まぬ帰還をする。惨殺体となって発見された島の嫌われ者をよく知っていたからだ。フィンは事件を解決し、島から出たかった。袂を分かった親友と別れた最愛の恋人に再会する前に。少年時代に経験した儀式「鳥殺し」の記憶から逃れるためにも……。息苦しくせつない青春ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絹恵
43
過去を閉じ込めると、未来まで閉じ込めてしまいます。そこから見い出した時に彼らとの繋がりを解いたと信じても、この円環から逃れることは出来ず、燃えて失われた時を求めることも出来ません。だから起こして明かした情念にも、閉ざして秘めた熱情にも触れて、彼らの感情を巡礼しながら自身の感情に辿り着いた時、彼らと私の思いの現在地が分かりました。離れるほどに心に負荷がかかるのなら、近づくほどに互いの感情の距離が露呈して悲しかったです。(第一部/三部作)2014/11/04
白玉あずき
37
英国離島ものシリーズ。お約束通り狭い人間関係がドロドロで兎に角暗いため、何度も中断しながら勢いをつけて読了。誰もかれもが哀れな人生行路、生きているのが辛そうで苦しい。主人公の今後もだが、周囲の女性たち、現妻とマーシャリーの将来が心配で心配で。「その後」を知りたいばっかりに続編読むかも。ゲール語に、秘密結社のごとき男の紐帯厳しいグーガ狩り。ほどほどの因習・辺境感。人の裏と表、悪人の思いもかけない善良な一面。謎解きのカタルシスは置いといて、人生どうしようもないぜというマゾ的快感は保証。とりあえず積読一減。2019/09/08
星落秋風五丈原
29
過去の因縁がある故郷の島に帰ってきた刑事が事件の解決にあたる現在と過去の事件を並行して描く。2020/09/15
本木英朗
24
英国の現代ミステリ作家のひとりである、ピーター・メイの長編のひとつである。俺は2014年に一度読んでおり、一応真相も真犯人も分かってはいたが、また読んでいた。エディンバラ市警の刑事フィンは、英国本土から離れた故郷に望まぬ帰還をする。惨殺体となって発見された島の嫌われ者をよく知っていたからだ。フィンは事件を解決し、島から出たかった。袂を分かった親友の分かれた最愛の恋人に再会する前に――という話から始まる。さすがは作者である。超凄かった!の一言であろう。(→)2023/02/13
むらさきめがね
12
今まで読んだ離島・僻地ミステリーでも際立ってネガティブ。作者は何かルイス島に恨みでもあるのだろうかと疑いたくなるほど。主人公フィンが、常に苦しみと隣り合わせだったルイス島での少年時代に久々に向き合っていく姿は面白かった。彼が今後どういう人生の選択をするのか気になるので、続編も読まなくては。2015/08/02
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