文春文庫<br> 幻影の星

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文春文庫
幻影の星

  • 著者名:白石一文
  • 価格 ¥559(本体¥509)
  • 文藝春秋(2014/09発売)
  • 澄みわたる秋空!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~11/9)
  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167901790

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内容説明

この世はすべて幻影? 震災後の生と死を鋭く問う、白石一文の問題作!
酒造メーカーに勤める熊沢武夫。彼が東京で買ったネーム入りのコートが、故郷・長崎で発見された。だが武夫の部屋のクローゼットには新品のコートがかかったまま――。なぜ、まったく同じコートがこの世に二つ存在するのか? 謎を追いかける武夫の前に、ある女性の存在が浮かび上がる。3・11後の世界を舞台に「生きること」の実相を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

51
生と死の物語と捉えれば良いのでしょうか。生きることの実相と死の重さ。3.11の後の物語。一期一会が人生なのかもしれません。2022/05/22

ワニニ

47
白石さんを読むと、しばらくあれこれ考えてしまう。読んでいる時は、まやかしのような独特の論理に納得し、読後「でも…」「そうかも…」を繰り返す。とっても好きだけれど、甘美な妄想、インテリロマンチストの屁理屈にも思える。ここに描かれるストーリー風なものは、災厄・時間・生と死・人生等を定義していく為、散りばめられたピースなのであり、物語としては肩すかし感。この世で起こった全ては必然、イリュージョン、レプリカ説、感覚的にはかなり心に響くが、自分の内でジグソーパズルの完成は見られなかった。本当は死がとっても怖いのか?2014/10/21

きつねこ

31
白石さん二冊目。読み始めと読み終わってからの印象が大きく異なりました。SFかファンタジーかホラーかどう進むのかワクワクして読み始めましたが、最後はわたし、哲学の人になりました。途中からこれはエッセイだったかと思えるくらい長い独考部分、面白かった。生と死と時間の流れ。刹那的なイリュージョンという考え方。水の繋がり。天災が異様に多い昨今だから余計に心に刺さるのかも知れません。ただ、、、悲しいことに、私の中では物語としての収拾がつきません。。。2014/09/17

Yunemo

29
「うーん」と唸って本を閉じました。白石世界観についていけない自分がいます。特に前半とラストの部分。どうすれば、このような感情になるの?自分の立ち位置がどこなのか解らなくなります。キーワードは、「イリュージョン」、「レプリカ」、「時間軸」等々。中段で、「経験とはすべてレプリカ」、「生存とは死とのあくなき戦い」、或いは「時間を取り除いて考えることの不慣れ」、これらの表現に解りかけてきたはずが、ラストになって理解の域を超えました。でも、結局のところ、3.11後の人間の生き方そのものを表現。これが自身の理解です。2014/09/23

チャーミー

28
武夫が東京で買ったコートが故郷の長崎で発見された。ポケットのSDカードには知らない女性の未来の写真があった。ゾウとネズミの時間軸の引用や地球規模の災害についての長尺の目で見る考察は考えさせられた。過去、現在、未来という概念は人間だけが持つ思考と考えると同じコートが2着あるのはレプリカで時空を越えて存在してもおかしくないのでは。それこそ今われわれが見ているものはすべて過去で幻影なのかもしれない。白石さんらしく主題は哲学的でビジネスシーンも盛り込まれ嫌いではないが考えがまとまらず放置された感は否めない。2019/06/04

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