内容説明
中朝開戦の必然――アメリカがバックに控える日本、ベトナム、フィリピンとは、絶対に戦争ができない中国……国内に鬱積する不満を解消するためには、中国で最も嫌われている人物、すなわち金正恩を殺すしかない! 1989年の天安門事件や1990年の金丸訪朝を直接取材し、2002年と2004年の小泉訪朝団に随行した著者の、25年にわたる中朝取材の総決算!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
謙信公
13
中国は「血盟関係」にはあるが面倒な北朝鮮の最大の庇護者であり続けた。張成沢の処刑はその北朝鮮を見放す大きな契機となった。習近平は毛沢東式革命により「九割皇帝」を目指すが、政敵の巻き返しや国民の不満、周辺諸国との摩擦など、国内外で窮地に陥る。これらの払拭には毛沢東や鄧小平に習い、周辺諸国との「開戦」が必然となるが、①アメリカが味方をしない②大義名分が立つ③100%勝つ④国民が嫌っているという4条件を満たす国は北朝鮮のみであり、中国が戦争を仕掛ける日が近いかも?衝撃な書名だったが、読後納得のいくものであった。2021/01/22
乱読家 護る会支持!
4
事実上の中国の属国であった北朝鮮が、金正恩-習近平体制になり最悪な関係になりつつある背景・プロセスがよくわかりました。毛沢東を尊敬する習近平は、戦争をしたがっているが、日本、アメリカ、フィリピン、ベトナムの関係強化で北朝鮮としか戦争が出来ない状況になってきたと著者は言う。さて、拉致問題を軸に、これから日本がどのような北朝鮮外交をすべきか?アベさんに期待します。2014/12/23
806_shusaku
3
タイトルは突飛だが、中国目線で見た北朝鮮問題を簡単に理解できる。北朝鮮は地政学的には対米戦略上の緩衝地帯にある。仮に北朝鮮が韓国や米軍の手に落ちれば、中国は米軍と間接的に国境を挟むリスクがある。対外的な戦争を通じて中国人民の支持を高める必要もあり、将来的には中国が北朝鮮に侵攻し中国によるコントロールを目指すものと著者は予想する。日本はどのような形で朝鮮半島にコミットしていくべきなのか、むしろ放っておくべきか。国民の意識を高めていかなければならないように思う。2016/10/03
高木正雄
2
出版当時ならありえた話かもしれない。この後も水爆実験や金正男暗殺など中国も舐められているかのような出来事が続いた。しかし、南北和解の流れで中朝首脳の交流もコロナ禍前までは活発であったし、この前の軍事パレードでも金正恩は李鴻忠とロシア国防相と雛壇でお手々をふって結束をアピールした。表面的には血盟に戻ったと言えるだろうし、中国は朝鮮半島の現状維持を望んでいるだろう2024/01/08
ken
2
最近の北朝鮮の行動が見事に解説されています。2015/02/01