優雅なのかどうか、わからない

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優雅なのかどうか、わからない

  • 著者名:松家仁之【著】
  • 価格 ¥1,324(本体¥1,204)
  • マガジンハウス(2015/05発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784838726936

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内容説明

Casa BRUTUS連載、待望の単行本化!

48歳にして再び独身になった主人公、匡(ただし)は、吉祥寺にある古い一軒家を老婦人に借り受け、自分好みに改装を始める。気楽な一人暮らしは、順調に滑りだすが、かつての恋人、佳奈とばったり再会。佳奈は、父親とふたりで同じ町に住んでいた……。
「気ままな一人暮らし。うらやましいかぎりだなあ。これを優雅と言わずして、なんと言う」。まわりにそう言われることに違和感を覚えつつ、佳奈との関係を取り戻したいと願う匡だが、彼女の父親は認知症となり、いつしかその介護に巻き込まれていく。自分の家と行ったり来たりの生活は、さらに思わぬ展開となり、どう暮らしたいのか、誰と生きたいのかの選択を否応なく迫ってくる---。
かつて妻や息子と暮らした代々木のマンション、一人になって借り受けた、井の頭公園に接した古い一軒家。吹き抜け、窓、灯り、テラス、暖炉、キッチン……随所にあふれる細かい家の描写が、物語に柔らかな深みを与えている。

流れるような美しい文体で描かれる、松家仁之の、新しい小説世界!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

264
冒頭からグイグイ夢中で読んでしまった。自分の住処をこまごまと整えて、日々の食事を慈しむような暮らし。村上春樹さま作品から抜け出てきたような主人公(ここちょっと皮肉)や大家さんの園田さん、ねこのふみちゃん、魅力的なキャラばかりでした。2017/04/08

徒花

258
嫌いじゃない。若干40~50代くらいのオジサンの都合の良い物語の進み方のようにも感じるが、全体としてあまり悪い人がおらず、「みんないろいろ大変だけど穏やかな幸せ」みたいなものが最終的に獲得できたようでよかった。離婚してひとりで住むことになった古屋の描写などディテールが細かいのもいい。表紙イラスト(写真??)はあの彼女なんだろうか。終盤になると話を落とすためなのか、急展開をいろいろ突っ込んできてちょっと終わり方がせわしないなぁという感じもしたが、割とストレスなくスムーズに読み終えられた。2018/03/20

おしゃべりメガネ

190
松家さん作品はまだ2作目ですが、早くもその洗練されたアートな文章に魅せられています。初期から中期?にかけての村上春樹さんを彷彿させる作風に、ハルキストにはたまらない世界です。何がどうという具体的なインパクトやテーマが明らかに伝わるワケではありませんが、前に読んだ『沈むフランシス』同様、男女の微妙な「間」が絶妙に描かれています。村上さん作品にもよく猫が登場しますが、本作も「ふみ」という老猫がステキな演出をしています。年齢とともにかわる自分、そしてとりまく環境をとてもリアルにとらえている‘優雅’な作品でした。2015/04/18

いつでも母さん

170
正直48歳、再び独身・匡に都合がよすぎる物語で、私には別の世界の男で・・どこに惹かれるのか分からず読了した。貴男、間違いなく『優雅』ですから~!きっと、本人にしか分からないのだろう自分の中の立ち位置。他人様があれこれ言うのは無粋だろが、私はだめだなこんな男は、いや、都合はいいよ。元浮気相手・佳奈にとっても。だけど、どうなんだろうなぁこんな関係って。自分の娘だったら絶対に忠告してしまうな。松家さん三作品、お腹一杯になりました。猫のふみだけがなんだかほっとする存在だった。2017/02/03

ナイスネイチャ

153
図書館本。松家さんは「火山のふもとで」に続き2作品目。優雅なのかどうか・・・。十分優雅でしょう!?まあ金銭的ではなく精神的にという事を言いたかったんだと思いますが。文中の「こうやって言葉を使ってしかものごとを考えられない人間は、なんと窮屈な生き物だろう」というくだりは、自分に言われているようでした。この作品はあと10年ぐらい年を取って再読したら違った感覚になるかもしれないですね。2015/02/08

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