内容説明
太平洋戦争開戦直前の日米交渉、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、山本五十六連合艦隊司令長官機の撃墜、大和特攻……。約40年前、戦史研究家の野村實がもらした言葉、「あのころに、どれだけ米軍が日本側の暗号を読めていたのか、実は本当のところはほとんどわかっていないんだよ」という一言から、著者(原)の「暗号解読の実像を明らかにする」研究の旅は始まった。以来、何度もの米国の新たな史料公開の度に、暗号解読の事実発見を繰り返し、一歩一歩、実像に近づいて行った。本書では、貴重な米国史料を多数実例として示しながら、太平洋戦争時の米軍の日本外交暗号、日本海軍暗号の解読ぶりを明らかにする。また、当時の暗号についての基礎知識を、電波工学の権威である北村新三が解説し、日米の暗号戦のすべてを描いた、決定版的一冊である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kyomi
1
暗号解読への取組み方が日米で異なったということなのか。山本司令長官機の撃墜等の各事件の描写が迫ってくる。 32015/08/19
さ く らだ
0
暗号モノ強化月間。暗号は総合力だなぁと。情報チェーン、みたいなものがあったとして、一番弱いところがその暗号の強度になる。暗号アルゴリズムはチェーンの中の1つであって、そこだけよく出来てても運用がダメならそこですべてが決まってしまう。日本は現場力が云々みたいな話があるけれど、裏を返せば現場が勝手に「ええように」してしまうので、暗号みたいなトップダウンでコントロールしないとダメなものはダメだなぁと思った。2017/09/17
Aki
0
映画「イミテーション・ゲーム」に触発され読了。しかしここまで完璧に暗号が解読されていたのであればやはり勝ち目はなかったのだなと暗澹たる気分。暗号の仕組みは複雑すぎて最後までよくわからなかったのが無念。2015/05/20
ごいんきょ
0
日本海軍の暗号の仕組みが良く判ります。 最後の第7章は暗号と言うより戦艦大和の最期ですね。2015/01/09