- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
千利休亡きあと茶の湯の天下一宗匠となった古田織部。侘びから一転、豪快にして軽妙洒脱な織部焼をはじめ、茶の湯に新奇の流行を巻き起こした武将織部の数寄の極致と、慶長年間の乱世を生きた実像を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hoiminsakura
10
漫画「へうげもの」を読んだので古田織部の人物像を更に知りたくて手に取ったが、その人となりよりも茶道具との関わりやそれらの変遷等、芸術性により多くの光が当てられていた。茶の湯を解さない自分には分不相応で、理解できないことが多かった。利休も古田織部も、適当に「これは良い」とか言って時代をリードしてたんじゃね?なーんちゃってね😅。2024/01/06
shou
5
武将としてではなく、茶人としての古田織部の美学と感性を史料の中に辿る。利休と比較しての「ポピュラーさ」が興味深い。ここまではっきり自分の美の在処を掴んで迷うことなくコーディネートしていけるというのは何だか羨ましい。2015/01/30
m
2
「へうげもの」の関連本として読んだが、さっぱりわからん(笑)お茶をやっていれば流れや道具の名前もわかって楽しいのだろう。内容は中級向け。2016/12/29
MIYA
2
今年(2015)は古田織部の没後400年記念。1615年に、一言も釈明をせずに黙って腹を切ったといわれる織部。そんな彼の生き様・理念に、恐ろしいほどに惹かれてしまいます。師・千利休は自分の志を貫かんとしてやはり切腹した。しかし織部は利休を反面教師とし、”クラシック”な茶の湯を”ポピュラー”な茶の湯へと変えていく。先人の教えを踏まえつつも、自身の創作の種を決して摘み取らない。臨機応変当意即妙融通無碍。その中には、利休と等しく一本の芯がたしかに通っている。飄々としながら、真面目に”へうげる”織部。魅かれます。2015/01/08
Yoshi
1
古田織部というと漫画のへうげものなどが有名だが、その大本のネタの検証っぽく読め楽しめた。 利休の侘寂重視の茶の湯から遊び心のあるものへの転換は小人→武家茶道への転換の間に含まれたのだが、その間のひょうげた器はその転換の間にどさくさにまぎれてやったみたいな感が自分には読み取れている。 有名な織部焼から織部流の手前や利休の時に下げられた唐物をもう一度賦活させる鎖の間など様々な古田織部の趣向が説明され勉強になった。2023/02/06