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内容説明
逆風下にさらされる日本であっても優れた報道を続けている良心的ジャーナリストたちがいる。硬派の調査報道ノンフィクションを手がけきた大鹿靖明氏(朝日新聞記者)が、さまざまな分野で活躍するジャーナリストを取材し、その生き様を活写する。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びす男
29
新聞、雑誌、出版、テレビなどで活躍する10人と著者の対談を収めた一冊。組織ジャーナリズムの枠におさまらず活動を続ける気鋭のジャーナリストたちの問題意識、精神、努力などが存分に語られている。その言葉は彼らの痛烈な職業意識であるとともに、ジャーナリズム全体への諫言でもある。「付加価値さえあれは、世の中で必要とされるジャーナリストとして仕事はあるんです。逆に言えば、それがなかったら、あっという間に私の仕事はなくなります」。ジャーナリストの世界を知る上でもそれを目指す上でも大きな本だと言える。あとで書評かきます。2014/08/26
hatayan
22
2014年刊。『メルトダウン』の大鹿靖明が角幡唯介、堀川惠子、栗原俊夫など気鋭のノンフィクション作家10名にインタビュー。 早稲田の先輩の高野秀行の作品に嫉妬したのが新聞社を辞める動機になったこと(角幡唯介)、社内で左遷されていたときに作家の腕を磨いたこと(長谷川幸洋)、師匠の佐野眞一に複雑な感情を持っていること(安田浩一)、死刑の取材をしていると公安にマークされるようになったこと(堀川惠子)。作品では語られないエピソードは読み手にはたまらない内容。 作家ごとにお勧めの作品を紹介されているのも良いです。 2018/12/01
おさむ
22
ノンフィクションにかかわる10人のジャーナリストへのインタビュー集。著作を読んだこともある人も多く、興味深い。インタビュアーの相手へのリスペクトが感じられる所に共感を覚えた。ノンフィクション逆風の時代だが、こうした人達が増えることに期待したい。2014/08/26
Miyako Hongo
19
有名ジャーナリスト10人集めて、今時の若造への説教とお薦め本を語らせた本。私はこれをオタクの心得本として読みました。 □何かあった時反応する背骨を持て、世の中に必要とされる価値を生め、慮るな、社会からはじき出される者に注目せよ、体力限界までやれ...。先達からの助言はどの世界も共通なのかも。 □『今時の若いオタクはなっとらん』と愚痴った私を大爆笑してくださいました某さん、お元気かしら。2014/09/27
けんとまん1007
16
ネットの一般化に比して、いわゆるメデイアの御用化・横並化が酷くなってきていると捉えている。どのチャンネルも、新聞も雑誌も、特に全国版は同じで違いが見えない。そんな中でも、まだ、僅かだがジャーナリズムの精神と身体を持った人たちがいる。個人的に、どうしても故筑紫哲也さんの顔が浮かんでしまうので、その影響はあるのだろう。自分で企画し、自分の足で稼ぎ、自分で考える・・この3点に立脚する。これは、ジャーナリストに限らない視点であるとも思う。そんな眼を持ち続けたいと切実に思う。2014/12/07