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内容説明
アフリカに誕生した太古の人類は、やがて世界の各地に向けて旅立ちます。それが、「グレイトジャーニー」と呼ばれるものです。その足跡を、科学的に追跡する方法として現在、注目を集めているのがY染色体の変異であるハプロタイプの解析です。それによれば、ユーラシア大陸の東の地域には、時を隔てて都合、二回の人類の集団移動があったことが分かっています。本書は、ユーラシア大陸の東側における古代文明と王朝の興亡の足跡を、司馬遷『史記』の読解と、Y染色体のハプロタイプ解析などで追いかけます。歴史に造詣の深い稀有な科学者である著者だからこそできる力業で、中国・韓半島・日本列島を巻き込む歴史の激流の跡と人間たちの移動のドラマを、生き生きと壮大なスケールで再現を試みます。日本という国家はどのようにして出来上がってきたのか。出雲と邪馬台国、大和朝廷の関係を、どう読み解けばいいのか。『古事記』『日本書紀』に隠された「日本建国の精神」とは何か?「記紀」の成立に直接・間接に関わった藤原家一門が、「記紀」に込めた真意とは何か?藤原家の先祖・中臣鎌足が関わった「大化の改新」の意味とは?著者の大胆な推理力が導き出した答えは、私たちの想像を超えるものでした。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mazda
21
天皇の即位年数解析法を、多項式近似曲線を相関関数として統計解析してみると、在位年数と年代が極めて高い相関を示すそうです。ここから推定曲線を決定し逆関数を解くと、神武天皇の即位が西暦282年前後になるそうです。なんのこっちゃ??邪馬台国が金印を賜ったのが西暦239年なので、卑弥呼は天照大神だそうです。ふ~ん。2015/10/16
Kamabonz
8
ハプログループと夏殷周の関係は面白かったです。 けど、遺伝の距離的に時代が合ってるのか説明がなかったので、納得できたようなできないような…肝心の建国史は奴国と出雲のところは興味深かったですが、他は「〜〜と考えるとつじつまが合う」が多く、科学者なんだけど科学で読み解いてはいなかったのが、チョイと残念です。2017/06/05
nori
7
Strange super naturalist the author is! I could not find any relation of genetic engineering and ancient history in east Asia. If he is a scientist, magicians becomes great founders for big religions. I wonder if he read books other than 記紀.2014/11/21
Teo
3
久しぶりに私には役に立たない本だった。Y染色体ハプログループの解析結果は既に以前から知られている。この結果から今の人類はアフリカを出てどの様な感じで世界に拡がって行ったのか、と言うのが分かっている。それを史記などに登場する国家の衰亡と都合良く結びつけて話の大筋としている。決定的な根拠無しに。序盤で長々と複雑系の考え方は線形思考しか出来ないヤツには分からないと煙に巻いて話を進めている様にしか見えない。 2014/10/20
Porco
3
“日本建国史”だけれども、書かれていることの多くは中国の話。Y染色体の型の話は面白いのですが、それを『史記』の記述と対応させるには、もっといろいろな証拠がないと説得力に欠ける感じがしました。素人の印象ですが。2014/09/06