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内容説明
彼はある日突然、CEOのスティーブ・マスターズからIT運用担当VP(バイスプレジデント)に任命された。
社運を賭けた、店頭小売とネット通販を統合する新システム「フェニックス」を3カ月以内にリリースせよ。さもないと、IT部門はアウトソーシングする、と告げられる。 プロジェクトの成功に欠かせない「4つの仕事」と「3つの道」を見つけるように言い渡される。
ビルは仲間とともに数々の危機を乗り越えるなかで、開発(Development)と運用(Operation)が一体となってシステムを開発していく「DevOps」に目覚めていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
71
とある自動車部品メーカーの、IT運用部門の物語。前半はイケてない運用や、開発/セキュリティ部門等とのいざこざで、これでもかこれでもかと問題が噴出。給料未払い、新サービスのデプロイ失敗、顧客のカード情報流出、監査でのダメ出しなど。急に運用部門VPになった主人公は、製造管理のグルから教えを受けつつ、リーン生産方式をシステム運用に適用し、思考錯誤しながらも山積みの問題を解決していく。ポストイットとホワイトボード、自作のツール類でなんとかやりくりしているので、DevOpsの原理原則を理解するのに良かった。2017/01/04
Thinking_sketch_book
24
★★★★★ 開発手法、開発工程の改善を説明する本はあっても、理論的でイメージしづらいところがあるが、小説形式なので入りやすいし、意図が伝わりやすい。またソフトウェアの開発手法、工程だけでなく、ビジネスとITの関係、工場との関係、人間関係などから連想することが多く、示唆に富む本だった。最後、訳者にあとがきを依頼するところからも理屈だけでなく実際に全員で仕事をする姿勢がうかがえる。2017/02/06
izw
15
MSのDevOpsエバンジェリストの講演で、マネージャ向けの推薦図書として紹介された本。突然IT責任者に指名され、社運をかけたシステムの完成を任された主人公が、突然システムの大障害に遭遇し、社内の課題をひとつひとつ解決していくところから始まる。ストーリー仕立ては「ザ・ゴール」に倣っているが、ITにも工場のプロセス改善手法が適用でき、最終的にDevOpsという理想形に至る道筋を見つけているところが斬新。マーケがリリース日を決め、開発期間が延び、インフラ、運用区に皺寄せに行くという構図はリアルすぎて笑える。2015/12/04
牧神の午後
6
あぁ不勉強だった。DevOpsは雑誌レベルで見たときに、いやいや、そんなの前から言われている話ですやん?と見切ったつもりになって、シカトしてたわけですよ。激しく後悔。TOC(制約条件理論)から派生していたとは!。ビジネス小説としてザ・ゴール同様、できすぎクンなところはありますが、ITとビジネスの一体不可分を美しく描いた名作、だと思います。とくに最初のITプロジェクトの多さだとか基盤のキーパーソンへの負荷集中の描写なんて、過去のお客様を彷彿とさせられて、まったく他人事tおもえなかったり(笑)2017/11/17
monotony
5
一言で言えば「ザ・ゴール」のIT版。物語の構図はほとんど一緒。開発と運用が一体化するDevOpsの概念がストーリー仕立てで読める本です。主人公はIT運用の責任者を任せられたビル。自分には大規模なIT運用の実務経験はないけれど生産技術で量産ラインを相手にしていた頃の記憶が一気によみがえり、噴出するトラブルを現場の工夫と開発陣の協力で抑えようとする姿は彼の奮闘と重なる部分が多かったです。現場改善の本質はメーカーもITもそう大きくは変わらないということだと思います。2017/03/20