ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 妻の沈黙

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ハヤカワ・ミステリ文庫
妻の沈黙

  • ISBN:9784151805011

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内容説明

不動産開発業で成功を収めた夫トッド。彼を支えるサイコセラピストの妻ジョディ。二十年以上連れ添ってきた二人の生活に、ある日亀裂が入った。トッドの浮気相手が妊娠したのだ。
まだ見ぬ我が子に心を奪われはじめるトッドと、すべてを知りながら何も言わないジョディ。二人のあいだの緊張が最高潮に達したとき、事件が起きる――。
誰にでも起こりうる結婚生活の顛末を、繊細かつ巧妙に描いたベストセラー・サスペンス!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆのん

61
25年間共に暮らしてきた40代のカップルの愛と秘密と裏切りの物語。主人公の職業がサイコセラピストという設定の為、フロイトやユング、アドラーなど頻繁に出てきて非常に面白かった。人が自分では抱えきれない問題に直面した時の精神状態の変化がとても上手く詳細に描写されていた。2018/07/23

mizuki

48
女癖の悪いトッドとサイコセラピストのジョディが一緒に過ごした20年。それぞれが交互に語り、トッドの幼稚さがわたしをイライラさせながらの読書となりました。しかし物語が終わってみたら、ジョディの沈黙も決して良い方法ではなかったこと、逃げであったことを理解しました。男女の考え方の違い、人それぞれが壁にぶつかったときの行動の違い、そして子どもの頃の家庭関係がもたらす影響を見事に描かれていて、ラストは一気読みでした。自分が変われば周囲もその影響を受ける。静かに幕を閉じたラストがわたしには好印象でした。2017/02/07

星落秋風五丈原

34
厭絶対そうでしょう!と思っていたのですが意外と肩透かしでした。一作でなくなってるんですね。残念。2020/01/30

ひめ

34
山本やよいさんの訳だったので手に取ってみた。作者がこの本の刊行前に亡くなったということで、続きはなし。でも続きがあったのかなぁと思わせるような本でした。アリスンはどうなったのだろう。トッドの病気かも?という描写は必要だったのだろうか。弟のライアンや兄の話は次につながっていくはずだったのかな。ちょっと中途半端な感じでした。2017/01/31

ネコベス

28
仲睦まじく二十年連れ添ってきたトッドとジョディ。だがある日トッドの浮気相手ナターシャの妊娠が発覚。我慢を積み重ねて良好な関係を保ってきたトッドとジョディの関係が少しずつ壊れ始める。真っ当で平静な人物のようで、浮気された腹いせに会社の鍵を隠したりこっそり睡眠薬を飲ませるジョディの抱える闇が恐ろしい。サスペンス小説としては終盤やや尻すぼみでおとなしい結末だが読み応え十分で楽しめた。著者がすでに亡くなっている為本書がデビュー作にして遺作というのが残念。2019/01/08

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