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内容説明
戦後、解体された軍部の手を離れ、国家の管理から民間の一宗教法人としての道を歩んだ靖国神社。国内でさまざまな議論を沸騰させ、また国家間の対立まで生む、このかなり特殊な、心ざわつかせる神社は、そもそも日本人にとってどんな存在なのか。また議論の中心となる、いわゆるA級戦犯ほか祭神を「合祀する」とはどういうことか。さらに天皇はなぜ参拝できなくなったのか--。さまざまに変遷した一四五年の歴史をたどった上で靖国問題を整理し、そのこれからを見据えた画期的な書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
34
11世紀のカノッサの屈辱。内政で対立した聖俗は、外交では一体となり世界を席巻。強訴は清盛を悩ませたが、信長は仏教勢力を武力制圧、徳川時代に寺社勢力の支配が完成した。19世紀に一神教の威力を目の当たりにしたわが国は、宗教改革を断行。1400年続いた神仏の蜜月を終わらせた。官軍用だった靖国神社は、140年間に賊軍、戦勝軍人、戦敗軍人、軍属、戦犯を合祀し、規制緩和してきた。次は、自衛隊員が戦死した時に変容が起きる。1945年を起点とするとこの問題は隘路にはまり込む。わが二千年の歴史と世界史に向き合うべき問題だ。2016/04/14
ローリー
15
図書館で借りました。たびたびニュースを賑わす「靖国神社」問題ですが、その歴史とともに、何が問題でどの部分が外国の反発を招いているのかを、左右寄りすぎることのない立場で書かれた本です。しつこいくらいに祀られている祭神の内訳やその選ばれる基準、人数などが記述されています。最初はまどろっこしく感じますが、その基準が徐々に変容し、新政府側の戦死者のみであったはずの合祀対象者がどんどん広げられていく様が恣意的過ぎです。元は天皇陛下のためのはずが、陛下すらお参りできなくなった現状と問題点がよく分かりました。2015/11/19
muu
11
靖国問題を考える上で、靖国神社の歴史を中立な立場としてまとめられており、私も偏らずにこの問題に対して考える事ができた。興味深い内容としては、靖国神社のあり方が、日本が歩んできた歴史によって様々な変容を遂げてきたことである。そもそも神道には教義が存在しないがために、靖国の「神社」という軸がそもそも不安定なもののように見えた。さらには国内での政教分離に関する問題、近隣諸国やアメリカとの関係、解決することはかなり困難な状況であると感じた。2015/12/10
makimakimasa
10
母校裏手の靖国に先月久々立ち寄った。1869年に東京招魂社として創建。当初の祭神は内戦における官軍の戦死者のみ。合祀者246万人中、維新、戊辰、西南、台湾、江華島が計1万5千、日清、義和団、日露が計10万、満州、日中、太平洋が計234万。国家管理から戦後は政教分離で民間宗教法人に移行も、合祀名簿作成(遺族援護法や恩給法の対象者)は厚生省引揚援護局に依存(遺族へは事後通知)。次第に戦犯合祀も説得された靖国は、1978年の宮司交代を機にA級合祀を秘密裡に実行(半年後にスクープ)。天皇親拝は1975年が最後に。2025/08/15
プレイン
10
靖国神社については左右いずれかの陣営からの主張が多い中、中立的な立場では書かれている。読みやすいが頭にあまり残らない。逆に主張がないからか…小林よしのりの靖国神社のほうが面白かった。2015/07/01




