角川ソフィア文庫<br> 青春論

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角川ソフィア文庫
青春論

  • 著者名:亀井勝一郎
  • 価格 ¥528(本体¥480)
  • 特価 ¥264(本体¥240)
  • KADOKAWA(2014/08発売)
  • ポイント 2pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784044094676

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内容説明

青春は第二の誕生日である。友情と恋愛に対峙する「沈黙」のなかで、「秘めごと」として自らの精神を育てなければならない──。新鮮なアフォリズムに満ち、生きることへの熱情に貫かれた名随筆。解説・池内紀。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobody

18
青春を体系的に論じた本ではない。「日本にはカラマーゾフのアリョーシャを模倣した作家がいなかった」というが、椎名麟三『永遠なる序章』の安太がいるではないか。さらに亀井はモラルの探求を文学の絶対条件とするが、椎名の逢着した人性の本質は“醜悪への意志”と正逆であり二重にやらかしている。亀井の思想を一言にして言えば“理想”であるが、その内実を「無軍備と無血革命」と空語ながら明記している点は潔い。現代に通じる鋭い時代予測や権力洞察もあるが、毛沢東を「現代の世界がもつ最高の政治家」と評してしまったようなところもある。2017/02/02

こうすけ

14
あれだけの戦争があったのに、どうして前時代の価値観を褒めあげて「今の若者は~」と言うのだろうと思ってしまう。坂口安吾は読んでてもそんな気持ちにはならないのに。「ニュアンスを感じること」が優しさである、といった文はよかった2020/08/09

maito/まいと

13
青春、って何か恥ずかしくなる単語だなあ(苦笑)と思いつつ読んだが、若者に留まらずその上の世代の方々にも響くことが多い一冊。物事を、言葉を深く読み込んで理解するとはこういうことかと思い知らされる。「本当の快楽は、苦痛を伴う」「大切なのは永続する覚悟だ。地道な訓練だ」昔の本は本当に手軽な道を示してくれないなあ、だからこそそこへ矢印をたてていかないといけないんだろう、と改めて感じた。後半は評論になってしまい、別の本のような印象になってしまうが、前半の“青春論”は心に刻んでおきたい深さがある、読んで損無し。2017/05/03

東京湾

11
「青春時代に、沈黙せざるをえないほどの大きな感動が、その人の一生を決定するのではないか」瑞々しく、真摯で、普遍的でありまた新鮮だ。人生における第二の誕生、自我の芽生えと思考の始まりである青春。愛や理想、モラルや政治について、あるべきかたちは何かを説く。こう言うと説教くさい印象を抱くかもしれないが、あくまで心のこもった言葉で、上からではなく正面から語りかけてくれる。節度が何事も失われつつあることに警鐘を鳴らし、現実の奴隷となって理想を失うことを危ぶむ点は、まさしく現代に通ずるものを感じた。2020/04/10

弥勒

7
沈黙に耐えうる精神力を青春の時代に築かなければならないと深く感じた。大いに感動した事には言葉では言い表しようのないいわば一種の沈黙が存在する。人はそれを言葉で表現しようとするが、うまくいかない。そこで初めて言葉の不自由さを知り、葛藤が生じるのだ。これは恋愛感情を告白するときにも同じように生じる。青春を過ごすことは、一方で清く輝き喜びに満ち溢れているが、他方では、苦労や苦悩が絶えない時期を過ごすことなのだと理解した。また、理想についての論も深く同意できる面があった。これは、再読しなければならない一冊だ。2015/04/20

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