内容説明
グリーンランド東岸の地層で、古生物学者である本書の著者らはごく小さな歯の化石らしきものを発見した。このちっぽけな化石から何がわかるのか。じつは悠久の時をさかのぼるヒトの成り立ちがわかる。そしてヒトの体の進化史を読み解く手がかりは、化石だけでなく地球の岩盤自体に、さらには太陽系、深宇宙にも記されている! いうなれば、古生物学者と天文学者の仕事は絡み合った、一つのものなのだ。
生き生きした科学者群像と研究現場の生々しい雰囲気を交えつつ、思いがけない科学領域の意外なつながりを示し、私たちの「いまここ」と悠久の過去・深宇宙をつなぐポピュラー・サイエンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふ~@豆板醤
34
たまには理系本も、と思い昨夏から積んでいた本。ヒトが誕生してからの時間なんて地球・宇宙規模で考えれば瞬間的なものに近く、人体には進化により不要になったはずのものの名残が見られるという解説が興味深かった。ヒトの腎臓が形成される過程が魚とリンクしていたり、遺伝、月の起源など、幅広い分野の話を知ることができとても面白い。昔たくさん読んだ古生物の本をまた読みたくなったし、博物館も行きたくなった(^^)たまにはこういう本もいい刺激になる!2017/03/05
そらのひつじ
7
宇宙誕生から地球の変動、生物進化まで異なる分野の科学を一繋ぎにした壮大で知的刺激に富む好著だった。革新的な科学者も多く紹介され、発見や新説提唱の物語も面白かった。2014/09/07
takao
4
ミッシング・リンクを探すには、事前にそれらしき地質の場所を文献等で特定することが重要。2017/12/17
ダージリン
3
古生物学者が書いているので、生物のことがメインに描かれているのかと思ったが、それよりもむしろ大陸移動などの地球進化が描かれる。大陸移動で海流の変化が生じ、気候を大きく変えたりなど、地球規模のスケールでの大きなダイナミズムを感じられて面白い。CO2の増加で温室効果が起こることを提唱したのが、アレニウスだったとは知らなかった。偉大さを再認識した。2024/11/21
読み人
3
図書館本。面白かったし、学習も出来た。後日購入予定。 前作にも挑みたい。2017/07/01