文春新書<br> 嘘と絶望の生命科学

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文春新書
嘘と絶望の生命科学

  • 著者名:榎木英介
  • 価格 ¥865(本体¥787)
  • 文藝春秋(2014/09発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166609864

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内容説明

STAP細胞事件の背景をえぐるレポート! カネと名誉と成果、そしてブラック企業化する研究室――。iPS細胞の臨床応用にはじまり、難病の治療、食糧危機解決まで、あらゆる夢を託された生命科学。しかし、予算獲得競争は激化、若手研究者の奴隷化が進むなかで、研究不正が続発――。今や虚構と化した生命科学研究の実態を、医師にして元研究者の著者が厳しく問う。いま、生命科学に何が起きているのか!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

30
STAP細胞“捏造”騒動の背景にある生命科学研究の世界の実態を、同分野の元研究者であり現役の病理医の著者が記した一冊。この問題をめぐっては、なぜこんなお粗末なことが見過ごされたのかと疑問だったが、厳しい予算獲得競争のもとで研究者は目先の成果に追い立てられ、若手は不安定な身分のまま満足な教育も受けずにこき使われている実態を本書で知り、個人の問題に還元できない構造的なゆがみがあったのだと気づかせてくれた。それだけに根が深いのも事実だが、今回の騒動を契機に議論がすすみ、少しずつでも改善へと向かってほしいと思う。2015/03/01

ろくせい@やまもとかねよし

17
バイオ研究分野で生じたSTAP事件やディオバン事件の研究不正事案について考察する。黒川清博さんの指導者の日常の教えと言動が教育に反映している指摘を引き、主に大学でのバイオ分野の教育研究を対象とする。米国の不正防止対策やキャリア支援、東京大学の進振システムなどを紹介。日本のバイオ研究では、研究資金獲得に密接にリンクした成果原理主義の蔓延し、教授・准教授・助手などで構成する階層的な研究体制から、教育が疎かとなり、不正事案が生じていると分析。研究不正を行った当人の振る舞いや動機が最大の問題のような気もするが。2014/11/09

魚京童!

13
しょうがないよね。だって人数が少ないんだもん。明らかになったから何って話は多い。薬みたいに使える、使えないがはっきりしているわけではないし。お金をもらえればいいんでしょ。どうしようもないよね。嘘もつき続ければいいと思うんだ。どうせ能力によってバレるばれないがあるだろうし。2019/10/05

シルク

10
割烹着にピンク色、巻き髪にでかい指輪にムーミンに...のあの騒ぎがもう、6年前か。「STAP細胞は、あります」て、ほい??そういう「ありますありません」という信念の話じゃなかろう?とか。テレビをつければマスコミが、山中伸弥教授と小保方氏のキャリアを比較して「こんな立派な経歴の持ち主なのだから、小保方さんは、より優秀なのだ」→「そんな優秀な彼女の言うことなのだから、『STAP細胞はやっぱりある』のだ」とか、この人ら正気か?と、思うような議論を真面目そーな顔してやっていたり。何なんやこれ?と思って、読んだ本。2015/06/01

ソーシャ

6
タイトルはセンセーショナルで内容も少し言い過ぎではと思う箇所がありましたが、バイオ研究をめぐる構造的な問題を分かりやすく解説した新書。ポスドク問題についての本で有名な著者だけあって、研究者の厳しい現状や、日本の科学技術政策の問題点、ミスコンダクトが生まれる背景などについて詳しく書かれています。一通りの基礎知識については触れられているので、研究不正(ミスコンダクト)についての入門書としても読める本です。2014/09/19

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