内容説明
伝奇・ホラー作家として、また、クトゥルフ神話についてのアンソロジー編纂者として活躍している朝松健氏、選りすぐりのホラー短編集。伝説のホラーアンソロジー「異形コレクション」から、「異の葉狩り」「この島にて」「屍舞図」「醜い空」「輝風 戻る能わず」の5作を収録。解説に、「異形コレクション」シリーズで監修をつとめる井上雅彦氏。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
澤水月
11
お江戸妖怪ラノベでブームとなっている朝松氏、重厚に読める近年の作品といえば何と言っても室町伝奇(ゴシック)、それも貴種流離譚でもある一休宗純の退魔シリーズという素晴らしい着眼点。風太郎の衣鉢継ぎつつ完全な朝松節。本書は伝説的書き下ろし怪奇アンソロ『異形コレクション』の03年以降に発表された室町もの(非・一休も!)を掲載。「いつまで?」と叫び文字通り血の雨を降らす怪鳥と戦う「醜い空」が特に白眉で痺れた。直截的表現でないのに表紙の美しき黒髪の女、禍々しいのに魅入られてしまい内容にぴったり。面出しして置きたい…2014/10/18
走馬燈
7
朝松さんは江戸時代の軽い妖怪モノをよく見るが、初見は異形コレクション。今回の作品は既読であったが、久しぶりにまとめて読んでみたくなった。中でも室町時代を舞台にした妖怪モノはなかなか見ないので、たまに読むとその世界観がちょっと新鮮。朝松さんの描く一休宗純は見た目はボロだが修行により徳を積んだちょっとあまのじゃくな優しい修行僧。しかもオヤジ臭い。その一休さんが妖怪と面する時の安心感と強さは読んでいてとても救われる。だって、やはりゾクゾクするところもありますから。2015/01/26
酔拳2
4
「およもん」と同じ作者にしては怖いんだけど…。室町末期って、時代が荒れてたからか、魍魎が跋扈してた時代なのかね。じわじわ来る日本的ホラーというよりスプラッタぽい作品が多かった。2015/10/18
けやき
3
室町時代あたりの伝奇短編集。「異の葉狩り」「この島にて」「屍舞図」「醜い空」「輝風 戻る能はず」の5編。「この島に」には細川政元が妖怪として登場。個人的には「輝風 戻る能はず」がベスト。癩病の剣豪・諸岡一羽の秘太刀「稲妻の影」の秘密とそれに迫った土気正三郎の運命とは?2014/09/17
Steppenwolf
3
本書は,短編5作で構成される。新作ではないが私にとっては未読の作品であった。一休宗純を主人公にするもの,それ以外のものがあった。私の好みに合うのは最後の剣術に関する物語である。作者の朝松氏は大病されて以来大がかりな作品を書かれていない。ただ短編の中には山田風太郎作のように思えるものがある。私には第五話の書き出しから幕切れまでそのように感じた次第である。2014/08/03
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