夫夫円満

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夫夫円満

  • ISBN:9784492223468

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内容説明

2011年8月、在大阪・神戸アメリカ総領事館に着任したパトリック・リネハン総領事は
日本語、韓国語、フィンランド語などを自在に操る、とても知的な男性。
ただ、ほかの外交官たちとちょっと違っていたのは、彼には「夫」がいたことでした。

日本は同性婚を認めていないLGBT後進国。でもリネハン総領事の夫、エマーソン・カネグスケ氏は、
日本政府が外交官の同性婚のパートナーに対して、外交ビザを発給した初めてのケースとなりました。

2人は幼いころから周囲との「違い」を受け入れてもらうことが難しく、
もがき苦しみながらも、しかし勇気をもって自分らしい生活をつかみとってきました。
その2人が、これまでの人生と日本での体験について感動的な文章でつづります。

彼らの生き方は、彼らに接した人たちに勇気を与えます。
この本を読んだ人たちにも、その勇気はきっと届くに違いありません。

本書は、著者2人が英語とポルトガル語で書き下ろした原稿を、
LGBTの社会認知を応援する人々が参加して、日本語の読み物にまとめた完全なる日本オリジナルの書籍です。
LGBT問題に直面している方々はもちろん、LGBTに関心のない方、心理的な距離のある方にもぜひ読んで欲しいと思います。
誰もが持っている「違い」をみんなが素直に受け入れることができるようになれば、社会はもっと輝きに満ちたものになるでしょうから。
それが著者たちの心からの願いです。

【主な内容】
はじめに

第1部 パトリック・リネハン
序章 「私たち」
第1章 「私の歩んできた道」
第2章 「見える存在に」
第3章 「ゲイ・フレンドリーな日本へ」
第4章 「あなたにできること」
第5章 「どちらも夫」

第2部 エマーソン・カネグスケ
第1章 「2人の夫」
第2章 「パトリックとの出会い」
第3章 「カミングアウト」
第4章 「広い世界に」
第5章 「パトリックとの暮らし」

第3部 LGBTを理解するために

おわりに
巻末資料

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

152
米国総領事であるアメリカ人のパトリックと同性婚をした日系ブラジル人のエマーソン。家族へのカミングアウト、二人の出会いから現在に至るまでを振り返ったノンフィクション。特に新しい情報は個人的になかったが、身近な話に共感する部分が多かった。中でも特に「どっちが女役?妻役?」と人に聞かれる件。家事を主にしている僕が妻役と固定観念で決め付けられることがよくあって呆れるのだよね。同性愛はあくまでも同性関係であり異性の代用なんかじゃない。巻末の「ゲイにまつわるQ&A」が痛快で笑えた。でも日本はまだマシなんだとも思った。2014/09/08

harass

75
大阪神戸米国領事館の総領事と日系三世ブラジル人のカップルの同性婚の本。LGBT一般向け啓蒙書。二人のこれまでの人生や相手との出会いと生活をそれぞれの視点で語る。ゲイであることの苦悩と世間、家族との葛藤と新宿二丁目での出会いなど。外交官として出世してきたパトリックの文は生真面目さがにじみ出ていて、次のエマーソンの文はラテンの血のせいか、パトリックとは対照的でいろいろおもしろい。正直興味本位で手に取ったのだが、なんかすいませんという気になった。文化の差を味わえた。良書。2020/08/24

かっぱ

8
2011年に大阪・神戸アメリカ総領事となったパトリックには同性の"夫"がいた。彼らの若い頃の悩みや出会い、日本での受け止められ方などが描かれている。家族にカミングアウトした際に精神科医に連れて行かれ検査を受けたあげく、医師が泣く母親に「本人は正常。あなたの方が明日からこの病院に通いなさい」というところなど面白い。LGBTをことさら美化することなく人は人それぞれということを丁寧に伝えている良書。ところで書名でググったら政府刊行物として出てきたのだけれど政府刊行物なのか?日本でも2020年までに合法化しそう。2014/07/26

田仲

8
人は、一人ひとり違いがある。それを受け入れて、ありのままで生きる。ただ、私たちには共通点がある。それは、我々には違いがあるという、絶対的な共通点だ。/// この本を読んで、まず、母や職場の人に読んでほしいなぁと思った。カミングアウトする相手に、カミングアウトと同時にプレゼントしたい。おこがましいけれどね笑。昨日、同業者のL友ができた。そして、語り合った結論は、教育現場こそ、マイノリティーであることや人とは違うことが悪いことではないと教えていかなければならないということ。日本人で、まだ良かったのかもなぁ。2014/07/21

美甘子

3
人生において、ターニングポイントを与えてくれる本は何冊かあるが、この一冊も私にとってそのような存在となった。単純に、欧米であるから、ゲイライツへの取り組みは日本よりもずっと進んでいるものと信じていたが、まだまだ世界的にもゲイに寛容な社会は動き出したばかりだと知った。日本は閉鎖的な国だから、遅れていると考えていたけれど、宗教的な拒絶がない分、LGBTを受け容れる土壌があるという視点も新しいものだった。2015/05/05

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