講談社学術文庫<br> 「国史」の誕生 ミカドの国の歴史学

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講談社学術文庫
「国史」の誕生 ミカドの国の歴史学

  • 著者名:関幸彦【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 特価 ¥440(本体¥400)
  • 講談社(2014/08発売)
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  • ISBN:9784062922470

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内容説明

近代日本の歴史学は、江戸期の漢学の流れと、国学・水戸学の流れ、そこに洋学が結合し、摩擦しながら、「新しい日本の自画像」を描くべく成立した。鎖国下の平賀源内や荻生徂徠、明治期の福沢諭吉、森鴎外らの歴史観、ドイツから来日したリースの働きなどから、「国史」誕生の経過を描く。さらに、久米邦武筆禍事件、南北朝正閏論争など、「天皇制」との軋轢のなかで近代歴史学が挫折し、鍛えられていく過程をたどる。(講談社学術文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんがく

12
中世史の専門家が、明治期日本の史学史について研究。近代国家を作る上での歴史の重要性がよくわかる。国学や水戸学の影響を受けたイデオロギー的な歴史と、ドイツなどから伝わった科学的な歴史の矛盾が、久米邦武事件や南北朝正閏論争から描かれている。2019/08/07

なつきネコ@成長した化け猫 久びさの成長

7
世界の中の日本、日本史の中の日本観などの変節を俯瞰した一冊。元が94年の本なために難しい。しかし、日本史の思想で大事なのは、南北朝なんだな。私が習った居合いも楠木正成を大事にしていたし。外国と接した日本、水戸学などを源泉とした日本史や、学問としての日本史の対立があり、それが明治の史学界で争い、最終的に大東亜共栄圏に変わっていったという事なんだろな。世界史に圧倒されながらも、もがき熱心に戦い国粋的な日本史を作っていったんだな。しかし、そんなジタバタが現在の日本史を作った。ある意味ロマンを感じた一冊でした。2016/11/11

さとうしん

5
「カイザーの国」の歴史学の流儀を「ミカドの国」で貫き通そうとした男たちの苦闘と挫折の軌跡。本書で扱う久米事件や南北朝正閏論争はイデオロギー的な問題であるとともに、アカデミックな議論が一般にどう受け入れられるか(あるいは受け入れられないのか)という問題でもあるように思う。大河ドラマの『平清盛』で噴出した「王家」問題に見られるように、お雇い外国人リースによって形成された日本の歴史学界が今後とも同様の問題に直面することになるのだろう。2014/07/22

うえ

4
この勘違いが後に与えたるもの。「岩倉(具視)の一行が、世界の首都ともいうべきロンドンで実感した「文明」とは、「時は金なり」だったのかもしれない。(「倫敦府総説」)…足早に行き交う英国の人々の勤勉さ、それをかれらは「文明」のなせる業とみたにちがいない。…米及び仏人は四時間で仕事を終え、残りは自分の楽しみの時間とするのに比し、英人は「五時ニテ終リ、一時間は別業ヲ勉ム」と。…「東洋ノ英国」たらんとした日本は、当然のことながら英人的所為を可とし、理想としたようだ。少なくとも『回覧実記』での文脈では、そう解し得る」2025/05/26

アメヲトコ

4
明治国家における歴史学の成立過程を、「文明」主義と「文化」主義の相克として描いたもの。南北朝正閏論争における学問と教育の矛盾については考えさせられます。また前提の一つである水戸藩の『大日本史』の思想が近世前期と後期とでは本質的に変貌しているという指摘にはなるほどと思いました。2014/08/26

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