内容説明
地方局の新米アナウンサー・鴨川優は、テレビからラジオに異動となり、憂鬱な気分を抱えていた。妙に陽気なディレクターの蓮池陽一から、午前0時に始まる新番組の司会に抜擢されるが、その準備中のある夜、突然の豪雨で孤立した村に災害情報を流すと大役を担うことに。さらには陽一のとんでもない秘密が発覚し……。ラジオ局で働く人々の奮闘を現役アナウンサーが描く、少し不思議で心温まる物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
61
地方のラテ局(ラジオとテレビの両方)の初々しい優が主人公のファンタジーでした。テレビからラジオへ移動となったら、そこには25年間も幽霊のままディレクターを勤めるイケメン陽一がいて、優と佳澄の番組を作りあげています。他にも幽霊が出てくるのですが、皆切なくなるような愛しい幽霊さん。ほっこりしたりウルウルしたり、優しい気持ちで読めました。ふと昔々に聴いていた城達也さんの渋くて優しいナレーションの深夜番組が聴こえてくるようでした。2017/10/17
じょんじょん
55
現役アナウンサーにして村山早紀さんの弟さんなんですね村山仁志さん。ラジオ局舞台の癒しファンタジーストーリー。「イケメンディレクターについてコメントしたらネタバレじゃん」と思っていたら、みなさんのレビューで「幽霊」って書きまくってる。登場する幽霊たちはみんな怖くない。ラジオの深夜番組を通じて素敵に成仏するんですね。マスコット犬になるルルちゃんストーリーとディレクターの奥さまの話が二大ほっこりコンテンツ。そのほかあちこちに、ほっこり。パーソナリティとアシスタントのキャラも好ましい。ふたりのこの先もきになります2018/12/11
はつばあば
52
「チーム山城」から「キング」に移行の予定でしたが給水せねば走れないと急きょこちらへ。さすがに早紀さんの弟さんの作品。余程ご両親が愛情かけて育てられたのだと感服つかまつりました。ファンタジー色は濃いですが今では聞く事も無くなったラジオ。(深夜放送から流れる受験生ブルースやケメコ・・勉強なんか手に付くはずも無く聞き入っていた頃が懐かしい)ラジオの良さを改めて認識。お子ちゃま向き?、世間の垢にまみれた心を少し洗えた流せた気分です。現役アナウンサーとか・・聞いてみたい、お顔も拝顔してみたい、枯れない婆です。2015/11/18
はる
49
お仕事小説だと思っていたらファンタジーでした。心温まる優しいお話。思い切った設定なので探りながら読みましたが、後半はなかなか面白かったです。ただ、ちょっと軽い感じなので物足りない方もいるのでは。村山さんは実際にアナウンサーをされているので、もうちょっとリアルなお仕事物でも良かったかな、と思います。2015/01/19
ともとも
40
ホラーの様な不可思議な現象。 これもまた、昔読んだ『てふてふ荘へようこそ』を思い出しつつも 救いがあって、赦しがあって、気持ちを伝える力の奥深さを 感じながらも、何だか優しくもあって勇気もある。 そんな心温まる物語で良かったです。 余談なのですが『花咲家の人々』の村山早紀さんは、この作者さんの お姉さんだったとは・・・ 同じ時期に読んだということで偶然?奇蹟?に驚いております。 2016/04/01