透明マントを求めて 天狗の隠れ蓑からメタマテリアルまで (DISCOVER SCIENCE)

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透明マントを求めて 天狗の隠れ蓑からメタマテリアルまで (DISCOVER SCIENCE)

  • ISBN:9784799315026

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内容説明

ディスカヴァーが科学者を応援する「リバネス研究費ディスカヴァー・トゥエンティワン賞」の書籍化第一弾!

透明人間になってみたい。
誰しも一度は考えたことがあるはずだ。その証拠に、被ることで透明になることのできる『透明マント』が、古今東西様々な時代の文献に登場する。その、長らく実現されることのなかった夢の技術に、今、手が届こうとしている……。ただし、ここに至る道程は平坦なものではなく、また、登場人物も多い。ストダーの「マジックショー」(第1章)、ロッキードの「ステルス機」(第2章)、ベセラゴの「負の屈折率」(第3章)、リーマンとアインシュタインの「曲がった空間」(第4章)そして、スミスの「メタマテリアル」(第5章)。本書は、透明マントを探し求めてきた多くの人物の活躍を描いた群像劇を通じて、透明マントの科学的な背景を紹介するものである。

目次

第1章 エンターテインメントとしての透明マント(透明マントにかけた夢 物語の中の透明マント ほか)
第2章 アメリカの挑戦 ステルス機への道(戦闘機にとっての透明マント 軍産複合体の影 ほか)
第3章 ソ連からの提案 共産主義における科学技術(ソ連から始まる技術 ウクライナの街中にて ほか)
第4章 曲がった空間 リーマン、アインシュタインの贈り物(1853年の冬の出来事 天才数学者の道のり ほか)
第5章 ついに完成する透明マント(透明マントへの道 その研究、まさにノーベル賞級 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

30
錯覚や死角に訴える手品ではなく、科学!研修者のあくなき追求姿勢。先入観、固定概念などを超える過程に凄み。中でも、ステルス機開発におけるライバル・ソ連の科学者の提唱をヒントとする点が印象深い。『透明人間』における「光の屈折率」という着眼点が、透明マントの実現方法に近似していることも驚き。文字通り、可能と考えることが可能であり、不可能と考えることが不可能なんだなぁ。一方、技術革命という視点から、軍事革命に視点を置き換えると心境は複雑。平和利用を願うのみ・・・。2015/02/02

活字スキー

19
あんなコトいいな、出来たらいいな♪という感じでそこそこ面白く読めた。「透明化」に絡めた、もっとざっくばらんな読み物かと思ったのだけれど、まず著者の研究テーマ(メタマテリアル)ありきで、関連する科学史などを交えつつなんとか一般素人にも興味を持って読んでもらえるよう努力されたのはよく分かる。このレーベル自体が、若いサイエンスライターの育成、応援を目的としたものだそうで、今後も気になるテーマのものがあれば読んでいきたい。 2021/04/15

マエダ

12
透明になれる道具は世代文明を超えて認知されている。ギリシャ神話のハデスの兜からステルス機、日本の童話からハリーポッターと多々ある。どれもこれも卑怯な使い方なのがイメージとしては多いので、物語でも禁じ手となっているのか透明になることをクライマックスや決め手として使わない。 この透明マントを科学により本気で作ろうとしている。屈折率や相対性理論の延長線上にある先人達の知恵の集結であるメタマテリアル(超越物質)の話は面白い。透明マントの使い方は悪用しか考えられないが。2015/10/15

イノ

9
ハリーポッターでお馴染みの透明マント。消えるという夢はギリシャ神話から存在する。実際の透明マントまでの道のりをファンタジーからSFを経て、ステルス機、アインシュタインやリーマンといった科学者の理論を土台にベンドリーが理論と実証した論文を紐解いていく。  後半はガッツリ数式や理論が出てくるので軽い気持ちで読むと、それこそ光の速さで置いていかれる。  現在では透明になれるボードが開発されているようだ。想像したものは作る事が可能とは言うが、これも実現しそうで楽しみだ。2023/02/10

tetuneco

9
難しいけど上手く書かれていて、私も透明マントの夢が見れた。2014/09/15

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