内容説明
43歳シングル女子、まさかの転機に直面す――無情な肩たたきの憂き目に遭って、会社員からアパート管理人に転身した茜。昭和の香り漂う「花桃館」の住人は、揃いも揃ってへんてこで……。若くはないが老いてもいない。先行きは見通せずとも、進む方向を選ぶ自由がある。人生の折り返し地点の惑いと諦観を、著者ならではのユーモアに包んで描く長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
508
急逝した父親から遺言で、オンボロアパートを譲り受けたアラフォーで未婚の茜。行き詰まっていた仕事を辞め、管理人として住み始めることにしたのだが、、、。後はもう、お定まりのユニークな店子とのやりとり。ラスト、結局何も変わってないんだけど、これまでも、これからだってきっといろいろ大丈夫、という気持ちにさせてくれる。そしてもれなく、百人一首を再び学びたくなる。2019/11/04
小梅
170
春に向かって暖かくなってる途中のこの時期に読んだのは正解だったみたいです。 個性的な住人ばかりの花桃館。 テンポ良く、映像が浮かんでくるような作品です。面白かったです。2015/03/02
じいじ
119
重い小説を読み続けて、ユーモアのある本を読みたいと手にした。花村茜、43歳独身が、父の遺産のアパート「花桃館」を相続することに…。一癖も二癖もある(ユニークだけど決して悪人ではない)店子たち、家賃の取立ても尋常にはいきません。そんな住人たちとの日常を綴った茜の奮闘記。疲れた頭をほのかな笑いで癒してくれる格好の本でした。こんな優しい大家さんのアパートなら試しに住んでみたいねぇ。心に残った名言をひとつ「悪妻は百年の不作」。2017/06/27
dr2006
118
ずっと読みたかった一冊。父が遺した花桃館という(めぞん一刻のイメージ(笑))アパートに管理人として住み込むことになった茜が主人公の物語。引用~インターチェンジのない一般道と高速道のように全く交わらない青春~男の口にする「忙しい」ほど不愉快且つ厄介なものはない~とか・・。父から引き継いだ個性的な住人たちとのなれそめを読み知るにつれ、自分は中島さんの個性的な人物造形と比喩の効いた心の声や心理描写が凄く好きなのだと思った。華々しいストーリーではないが、茜の気持ちに添いずっと読んでいたくなる感じ。とても良かった。2017/05/23
エドワード
115
真綿荘、木暮荘と来て、ついに現れた、音無響子サンの○十年後(違うか!)、「めぞん一刻」に最も近い花桃館の管理人になった茜。43歳独身という微妙な立場から見る世間、クセ者揃いの住人と織り成す四季のいみじうあはれ。父の最後の恋人・李華ばあさん、ウクレレ奏者のハルオ、整形美人の日名子、父子家庭の妙蓮寺家、探偵槌田、クロアチア人の詩人夫妻。どこか世間とずれてしまった人々にはこういう棲家が必要なんだな。同級生の尾木君とのイライラさせられる成り行きもまた楽しからず乎。英語に訳すことで再発見される百人一首こそ奥深けれ。2016/10/07
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