モノクローム

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モノクローム

  • 著者名:乾ルカ
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • 新潮社(2014/12発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103299820

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内容説明

母子家庭で育ち、幼いときに母に捨てられた少年・慶吾。孤独の中で囲碁に打ち込む慶吾の姿を、写真部の香田のカメラがいつも捕らえていた。香田の屈託ない態度のおかげで徐々に心を開いた慶吾は、それまで避けて通ってきた母の家出の理由と向き合おうとするが……。囲碁を通じて自分を取り戻す青春ミステリ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaC

129
予想外に(なんて言ったらルカさんに失礼か)熱中して一気読みだった。自分にもっと囲碁の嗜みがあれば、もっと面白かったかもしれない。(the+比較級, the+比較級)2016/09/27

ちはや@灯れ松明の火

86
格子に散る九つの星は無彩色の盤上を照らしてはくれない。母の不在、黒石の先手の音が冷たく響く。老犬や恩師がくれたぬくもりを、遺棄、拒絶、再婚、取り囲む黒の群れが奪い取っていく。こんな小さな石にも、そこに存在する意味が与えられているのに。動くこともできず立ち竦んだ。施設育ち、大学中退、望んで選んだ手じゃなくても。ただ、生きる道を探した。途絶えた連絡、増え続ける冷蔵庫のコーラ、醜く無様な打ち筋でも。鍋から上る湯気の向こう、白の一手が光を放つ、星よりも眩く。盤上に咲いた白い花が、この世界に生きていく意味を描く。 2014/09/03

優愛

84
母親に捨てられて施設で温かく見守られて育った少年。過ぎ去っていく毎日をどんな風に過ごしても、どれだけの出会いを経ても消えてくれない。ねぇ、どうして僕を捨てたの――?自分で作り上げてしまった母親への思いの壁が高すぎて、内省の繰り返しに少し悶々とする。囲碁を通じて盤を前にし母親と向き合う時、彼はどんな気持ちだったのかな。きっとこの数ページに描かれていた以上に様々な思いが交差した時間を二人過ごせたはずだから。この先今まで以上に友達や家族を大切に生きてほしい。ほら、見渡せば素敵な人達しか君の傍にはいないんだから。2016/02/24

nyanco

77
モノクロームって、囲碁だったんだ…母に捨てられ施設で育った少年・慶吾。母に捨てられた、何故、母は…慶吾の気持ちも解るし、ルカさんらしい表現で良いのですが、鬱々とした彼の気持ちが重い。初めての友人・香田との関係の描き方や、施設の相内園長の優しさが伝わってくるところもなど、良い部分はとても多いのですが…母の過去を探る後半も良いのですが、でもやっぱりこれが息子を放置した理由や、その後の親子関係を納得する理由にならないのが残念。雰囲気は良かったのですが、あと一歩何かが欲しかったかな。2014/08/15

BlueBerry

77
5歳で母親に置き去りにされ施設で育った子供の苦悩みたいなものがサラッとしすぎているような気がしましたが、私も私設のことはよく知らないので想像するしかありません(笑。いずれにせよ子供をちゃんと育てるのは絶対しなければならないことなので、そのあたりをあやふやにしている点は納得出来なかったかな・・・。小説としてはそこそこよく出来ていたとは思います。序盤○中盤○ラスト○2014/07/14

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