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内容説明
長期政権を維持してきた自民党、あるいは一時的に政権の座に着いた非自民連立内閣、民主党などは日本経済浮上に向けた努力をしたようにも見える。財政金融政策の実務を担ってきた大蔵省(現財務省)、日本銀行もさまざまな政策手段を駆使した。だが、それらが実ることはなかった。なぜか。バブル崩壊後の20年間の経済政策を振り返り、同じ過ちを繰り返さないために広く世間に警告することが、本書の目的である。(講談社現代新書)
目次
第1章 焦土からバブルの「宴」まで―戦後日本経済の疾走
第2章 「宴」の裏で悪魔が微笑んだ―バブル崩壊の爪痕
第3章 血税が底なし沼に消えた―政策誤操作で「戦後最悪の不況」へ
第4章 「小泉改革」の正体―戦後最長景気の幸運
第5章 そして「格差社会」が進んだ―日本型雇用慣行の崩壊
第6章 「日銀理論」の自縄自縛―迷走した金融政策
第7章 「国民の生活」は「第一」でなく…背信のマニフェスト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
1.3manen
28
1973年頃、福田赳夫蔵相は狂乱インフレと名づけ、日本経済を全治3年と診断した。スタグフレーションで物価も上がったし、モノも不足したという(37頁)。金を貸す長信銀が、金を貸す先が先細った。それで、大阪の一料亭の女将に頭を下げて、金を借りてもらうようになったという(114頁)。本末転倒だが、金を借りる人が頭を下げているわけではない。頼むから借りてほしい、とは。。秋葉原事件の育った環境は、虐待などで勉学意欲が湧かない。著者も意欲が湧かず、を繰り返している(163頁)。2015/10/24
Miyoshi Hirotaka
26
GHQ占領下で経済復興を実施するために導入された傾斜生産方式は石炭、鉄鋼から始まり、産業を統制し、高度成長の原動力になった。産業の主力が半導体、コンピュータに替わっても続けられ、日本型経営とともにわが国の競争力の源泉と称賛された。ところが、失敗は成功と同じ原因から生じた。官の強い力により規制緩和、市場開放という変化が先送りされ、長い不況と弱い回復を繰り返す「失われた20年」に突入。バブル期の不良債権、金融不安、経営破綻の処理に膨大な血税が投入された。環境変化に目をつぶることは大きな痛手となって返ってきた。2016/08/09
ようへい
5
経済史的な話かなと思ったら、バブル崩壊からアベノミクス前までの話だった。金融政策メイン。景気は誰にも操れないとわかっていながらも音頭を取っていかなければならない悲しい狸。我こそはと英雄に憧れる寂しい雀。心霊現象を良い霊だ、悪い霊だと解析議論するTVショウ。それでも無理ゲーを運ゲーにする執念に感謝しなければならない。太古の巫女みたい。2019/01/18
おせきはん
5
バブル崩壊後の経済政策を中心に、第二次世界大戦後の日本経済の歴史を概観しています。消費税の導入や増税など、国民に直接、負担を求める政策を実施しようとすると選挙で負ける歴史が繰り返されていながら、それでも取り組むべきことに向き合おうとする政治家は、色々なことを言われますが、重い責任を果たしている側面もあるのだと思いました。2014/07/26
doremi
3
これが失敗なら、どうすれば?への回答はありません。それを考える素材の提供にとどめています。内容は、新書よりも単行本が適切かと。 2014年 C0230 \800. 20142014/08/24
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