内容説明
1965年。IT技術のみ異様に発達した異空間の日本では、犯罪抑止と新産業確立による雇用拡大のため、全国民にアメリカ開発の極小GPS「時空眼」を体内に埋入する義務がある。時空眼には、アメリカの陰謀で埋入者を一瞬にして殺すことが出来る機能が隠されていた。それに気付いたソ連はシステムを乗っ取り、政治家2人を暗殺。窓際に追いやられた刑事と女性議員が真相解明に挑むが――。陰謀と復讐が渦巻くエンタテインメント!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シ也
40
電子機器のみが以上に発達した1965年の東京。人々に仕掛けられた“時空眼”を用いた捜査が主流となるなかで足を使ったアナログ捜査を行う警視庁捜査一課刑事・平岡八兵衛(すげえ聞き覚えがある(笑))は議員の連続変死事件の奥に潜む国家の陰謀に挑んで行く... という「相棒」にも通ずる“大人の厨二心”をくすぐるストーリー。何故に昭和が舞台なのかと思ったら、犯人の動機が明かされるところで納得。まあ、“松川”と“三鷹”が出てきた時点で予想はできたけど。にしても“カノン機関”って... 笑2015/12/01
外道皇帝
8
1965年、別の世界の日本では、体内に極小GPS「時空眼」を埋め込む義務があり、その管理は日本に委ねられていたが、開発したアメリカ側ではバックドアから特定の個人を殺すことの出来るシステムが搭載されていた。そのシステムをソ連がアメリカの脅迫に使い、その結果日本で政治家2人が突如死亡した。事件を追う刑事・平岡と政治家の犬飼。1965年という設定なのに科学技術だけはすごく発達していて面白い世界になっているが、起こる事件と捜査はごくありきたりの展開。スパイとか拷問とか古臭さがぷんぷん。2014/10/15
kitou
1
たまたま図書館で手に取り。設定は過去で昭和くらい?。戦後、日本人には識別チップが埋め込まれており、時空眼というGPSでアメリカに監視されているという設定。そのチップには、ラズベリーという、アメリカの陰謀が隠されていたという物語。設定、雰囲気も良いが、一番最初からラズベリーをだしてしまうのが少し残念。あと、もう少し、変化が欲しかったかなあ?。魅力的な登場人物が数人登場するも、十分描ききれていないか?とも思う。ただ、readabilityは高く面白く読みましたよ。2014/12/12
臓物ちゃん
1
戦後日本が舞台の歴史改変SFなんて俺が好きじゃないわけないじゃないですかヤダーッ!情報インフラだけ発達した過去世界っていうのは高野史緒作品みたいだ。改変された昭和のビジョンはすごく面白いし、警察小説としてもしっかりしてるんだけど、ストーリーの流れの悪さは否定できない。世界観を楽しむための一冊。2014/08/09
ひーたろー
0
終戦後の日本人が、アメリカで開発された位置情報システムを埋め込まれているっていう設定は面白かったけど、説明的な文が多い所為か、テンポが悪くて読みにくかった。2014/08/01