ガマ 遺品たちが物語る沖縄戦

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ガマ 遺品たちが物語る沖縄戦

  • 著者名:豊田正義【著】
  • 価格 ¥1,155(本体¥1,050)
  • 講談社(2014/08発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062189620

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内容説明

沖縄本島に無数あるガマ(壕)。戦後、その洞窟で遺骨を掘り続けている人々がいます。そこからは、学用品や日用品も掘り出されます。それは、アメリカ兵から身を隠して暮らし、爆弾や毒ガスを投げ込まれて息絶えた人々の存在を、いまに伝える痕跡なのです。そのなかから、「すずり」「目覚まし時計」「アルバム」をめぐる現在と過去の物語を描きます。モノたちから浮かび上がるのは、最期の瞬間まで人間であろうとした命の証です。

目次

第1章 哲也の硯
第2章 新太の目覚まし時計
第3章 夏子のアルバム

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

澤水月

40
実在人物モデルに集団自決に追い込まれ/生き残った人々のドラマ描く児童書。島民だけでなく牛島中将ら自決直前やりとりも含み様々な人の立場と境遇を考えさせる。豊田氏自らガマで遺骨発掘、多くの資料読み込みが参考文献からも窺える。北九州連続監禁殺害ルポ後、ダメージ受けたように見受けられたが14年にこのお仕事と知り感銘。総ルビ注釈もしっかり。義務教育生徒「高橋お伝」伝わるのか?!と思いつつも現代っ子達がガマの祟りを恐れる描写から一気に戦時の暮らしに引き込み興味持てるだろう書き方に好感。現地少年ガマ荒らし報道の月に読了2017/09/22

かおりんご

27
児童書。実話をフィクション化したもの。ガマの遺骨収集で見つかった遺留品をモチーフに、話が進みます。母親が子を思って、ガマから脱出させる場面に思わずホロリ。大戦での唯一の地上戦が行われた沖縄。原爆のことも後世に伝えて行かなければならないけれど、沖縄の歴史もしっかりと学ばなければいけないと思います。対象は高学年ぐらいから。2018/01/13

羽衣 空

26
沖縄戦、ガマという洞窟で息を潜めた生活を強いられた住民。最後には火炎放射器で焼かれ、あるいは自決し亡くなる。本書には三編の話が語られているが、軍人を含めた全ての人それぞれの数だけのエピソードがあるのだろう。とても悲しい気持ちになるが、目を背ける訳にはいかない。2017/10/03

みー

12
日本で唯一、本土決戦が行われた沖縄・・・そこでは老若男女、多くの一般市民が犠牲となった。多くの市民が避難していたガマと呼ばれる洞窟・・戦後、何十年もたち、そこの捜索が行われ、沢山の遺骨と遺品が見つかることとなる。そこで見つかった遺品・・人骨・・それぞれの生きた証がそこにはあった。(図)2017/04/02

ケニオミ

10
原爆投下で主のいないまま残った品々を紹介したアーサー・ビナードの「さがしています」を思い出す内容でした。戦禍を避け逃げ込んだガマ(洞穴)に残された硯と目覚まし時計。成績一位のご褒美で母からもらった硯。死にゆく少年兵を最後まで見届けた目覚まし時計。その品々には人々の想いが乗り移り、見つけられるのを待っていたのだと思います。また、戦利品として米国に渡ったアルバム。家族が死に絶え、自分の記憶でしか家族の像が存在しない辛さ。アルバムを返しに来日した元米兵がその辛さを理解できて良かったです。やはり、戦争はいやだな。2014/07/16

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