教会領長崎 イエズス会と日本

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教会領長崎 イエズス会と日本

  • 著者名:安野眞幸【著】
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 講談社(2014/07発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062585798

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内容説明

天正八年(一五八〇)、大村氏より長崎を寄進されたイエズス会。彼らは寺社勢力のように、都市・流通機構を支配し、南蛮貿易から巨富を得た。〈約束の地〉長崎を安定化させるために、武装化・軍事化路線を進んだ彼らが取った戦略とは? 一五八七年の豊臣秀吉の「バテレン追放令」まで、日本史上大きな画期をなす〈教会領〉の時代を捉え直す。(講談社選書メチエ)

目次

第1章 ザビエルの目論見―ポルトガルからの自立(「堺にポルトガルの商館を」 貿易や課税の仕組み 船宿 岬の教会 大村時代の南蛮貿易)
第2章 ザビエル構想の実現と長崎の武装化―天正八年の長崎(天正八年の教会領寄進と寄進文書の分析 教会領の成立とイエズス会の変化―長崎の武装化)
第3章 ザビエル・ヴァリニャーノ路線vs.ロヨラ・コエリョ路線―天正九年以降の長崎(コミューンの成立と膨張―天正九年の長崎 島原合戦と教会領―天正十二年の長崎 南蛮貿易とイエズス会―天正十三年の反転)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

15
大村氏の寄進により生まれた教会領長崎。たった7年間だけだが、日本に実在したイエズス会を領主とする土地を研究する面白さが伝わる一冊。布教と貿易を巡る路線対立、周辺の戦国大名との関係など、戦国期の日本らしい武装する宗教勢力として、イエズス会が存在していたことがよくわかる。著者も述べるように当時のキリスト教を外来の何か特別なものとして扱うのでなく、寺社勢力と同じ中世日本の「権門」と捉えることで見えてくる地平もあるのだろう。ただ「長崎」という一都市を扱っているのに、地図類が全くない構成には大いに不満を覚える。2021/09/08

さすらいの雑魚

15
国民国家の主流多数派と異なる歴史が刻まれる場所がある。戦国後期のイエズス会統治下の自治都市長崎はマカオ(中)やゴア(印)、マニラ(比)にアカプルコ(墨)と互いに影響を与えあう港市国家に成長しつつあり、長崎の都合、長崎の属する世界はボク達日本の都合や世界と別物で、ボク等の認識し習ってきた物と異なる歴史を刻みつつあった。世界の裂目と言うかボク等の歴史ではなく彼等の歴史を感じさせてくれる本。イエズス会を権門体制に接続する著者の立場とボクの感想は少しズレてますが、優れた研究の多面多角的な影響力の現れかと。2021/04/25

氷月

4
戦国期の長崎を取り巻く歴史。イエズス会は長崎を武装都市化し、最終的にはポルトガル/スペインの植民地にする計画であったようだが、適応主義/原則主義の対立やマカオ⇔長崎枢軸/マニラ⇔長崎枢軸の対立、果ては修道士の出身国贔屓など全く一枚岩ではない。当の長崎についても、一時期教会の尖兵のようなことをしてはいるが、しっかりした自治衆が存在し、基本的に自らの利害に基づいて動いている。著者は大村氏によるイエズス会への長崎の寄進を寄進地系荘園と同種のものと見、イエズス会を「権門」の一つと見なす見方を提示している。2023/05/09

アメヲトコ

2
天正8(1580)年から15年までの教会領時代の長崎について、南蛮貿易と「関税」のシステムから、イエズス会と長崎都市民との関係、戦国大名とのパワーゲーム、イエズス会内部の路線対立などがダイナミックに論じられています。イエズス会を中世権門の一つとして、他の寺社勢力との比較のもとに捉えるべきとの指摘にはなるほどと思いました。読む側としては地図が欲しかったところ。2014/08/29

たかぴ

1
イエズス会の日本での行動の一端がわかってきた。2023/02/10

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