内容説明
私たちが受け取る情報の汚染度は、ますます増している。ネットで多くの情報に触れる人ほど、被害を受ける可能性が高くなっているのだ。情報社会の危険性を浮き彫りにし、「情報汚染の時代」を生き抜く術を伝える書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
54
情報をいかに個人が処理するかを論じている。丁寧な解説でいかに正しい情報を手に入れるにはどうすればいいか解説。わかっている人には当然のことだが、情報の信頼性などをなんとなくであるがわかっているものを、分類分けして愚直に解説していく。こういう作業と解説は意外に難しい。結論の対処方法は意外にも…… 思いつきで書いているのではないのは、読んでいて感じられ、巻末のブックガイド参考図書に納得。洋書が多く含まれる全60冊だ。現代思想の解説で数冊読んだことのある著者であるがこの説明力は大したものだ。2016/11/25
ntahima
18
【Kindle-228】標準タイム3時間43分。著者自らが述べている通り、内容自体は極めてオーソドックスなものである。組織の中で働いたことがある人間なら、体感的に分かっていることだが、じゃあ己が受け手として、送り手として「情報汚染」から自由で居られるかというと話は違ってくる。「ネットde真実」なんて言葉もあるが、それは「宝くじの1等に当選する人がいる」と同じくらいの真実であろう。但し、異論を恐れブロック塀の中に閉じこもっている人々の情報が、確実に汚染されていることだけは紛れなき「ネットの真実」と言えよう。2018/06/24
501
15
情報の本質が分かる本。情報とはデータに発信者の意図が組み込まれているものであり、情報は受信者に誤った行動をさせる汚染されたものである可能性がある。と大体の人が気づいているであろう情報の特性を論理的に分類、体系化し対処方法を論じ、一歩進んだ示唆を与えてくれる。情報の危うさは分かっているつもりでも日々の忙しさにかまかけて目の前の情報を信じがちになる。情報とは「データ+意図」であることを常に念頭におくだけでも情報の接し方が変わるかもしれない。2017/04/17
masabi
13
【概要】情報の流通量が増える一方でその質が担保されない現状にどう対処するかを解説する。【感想】私達は情報をもとに意思決定や行動を決め、利を得る。そのため、判断材料となる情報は良質でなければならない。溢れる情報や歪められたものをいかにふるいにかけるかが重要になる。筆者が勧めるのは経路、情報提供者に着目することだ。質の劣悪さだけでなく質を問わず量も情報汚染に含まれる。本書の結論自体は目新しくもないのだが、分類と解説の積み重ねによって腑に落ちる。2023/03/02
ネクロス
6
高校生以上の人は必読といっていいかな。特に情報科教員。情報は発信者の意図が混ざるのは当然であるが、その当然を踏まえた上で如何に除染するか、その手法まで説いた本2014/07/29