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内容説明
欲望を植え付けられ幸福感が満たされなくなった現代人。なぜ私たちはこうなってしまったのか。「貧しい者こそむしろ幸福」という、その理由を宗教と経済の観点から分かりやすく解説する。
目次
第1章 貧乏の世間学(そのままで幸福になる方法 貧乏を楽しむ ほか)
第2章 貧困の経済学(「資本の論理」に毒された日本人 「棲み分け理論」とは? ほか)
第3章 清貧の美学(『論語』の読み方 清貧には金がかかる ほか)
第4章 貧者の宗教学(「人はパンのみで生きるのではない」 釈迦も誘惑された ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Michi
6
こんなにも「貧乏」のほうが良いのかと嬉しくなってしまう。単に「貧乏」を勧めると言っても、ひろさんに解説されるとその裏には色々な昔の知恵だったり手段であったり宗教であったりと色々訳がある。最近「多様なニーズ」と言うけれど、過剰な商品が過剰な欲望を喚起しているだけ、という意見にはかなり賛成。お金もあれば、それ以上のものを欲しがり、無ければ高い欲望も無くなる。でも経済は欲望で活性化される面もあるので社会的には考えてしまうけれど、やっぱり無いよりあった方が良いな。2016/08/07
nizimasu
6
古今の宗教から貧乏というのをポジティブにとらえようと言うのがこの本。さすがに金持ちは悪魔的な言葉には、はてと思うのだが、佐伯啓思さんの本から、資本主義を欲望変換装置と置き換えていき、マルクス時代の労働者から現代の消費者への転換が、悲劇の元にあると論破する。結局は消費のスパイラルから抜け出し、足るをしるという境地に池という見事な宗教説話になっているのが面白いなあと思います。ひろさちや先生は、よくも悪くもそれぞれの宗教のいいところ取りをしていて、そういうのは日本人の読者にはしっくりくるのかなあ2014/08/20
ニゴディー
3
内容を一言であらわすと資本主義の否定。 おそらく著者は読書家で勉強家で物知りなんだろう。 そして話もユーモアを交えてておもしろいんだろう。 それは伝わってくる。 しかし個人的には鼻につく文章としか感じなかったし、読んでいて気持ちの良いものではなかった。 部分的にはそういう考えもあるのかとは思わせてくれるんだけど。 2020/01/23
三上 直樹
3
ひろさちやさんの著作は何冊か読んでいますが、南直哉師を読んでからだと宗教との向き合い方に違いがありすぎて、満足感が得られませんでした。どちらが正しいとは言えるものではありませんが、こちらは自分向きでないのはよくわかりました。2016/03/01
つばめ
3
成功やら、目標に向かって頑張ろうと言った本は結構読んできたので、違う方面の本書も手に取ってみました。ニーズの多様化は、過剰な供給が生み出しているというのは、確かにそうかもと思いましたね。欲望変換器となった私(達)が、それに抗うためには、少欲知足を実行する。つまり、三個欲しいところを二個にするなど、欲を少なくして、欲望をコントロールすること。他にも資本の論理など、なるほどと思うことが多々ありました。賛否あるでしょうが、自分に必要なところを読めばいいと思います。2015/06/11