内容説明
ローマで女子学生が失踪し、ヴァチカンの秘密組織に属する神父マルクスは犯人をひそかに追う。一方、転落死した夫が実は殺されたのではないかと疑う警察官サンドラは、夫が死んだローマで独自に調査を始めていた。二人の道が交わるとき、戦慄の真実が明らかになる。『六人目の少女』の著者が放つ傑作サイコサスペンス!/掲出の書影は底本のものです
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろんこ*勉強のため休止中
163
入り組んだ構成でなかなか入り込めなかったが、数十ページを過ぎたあたりから手が止まらなくなった。連続殺人事件を追う教誨師マルクスと、事故死した夫が殺されたのではないかと疑う写真分析官サンドラ。2人が交わってからも更に登場人物は増え、事件は複雑化する一方。ピースが増え続けるパズルを解くような気分だった。だがスピード感があり、ラストは荒技な部分もあったものの一瞬も気が緩む事はなかった。サンドラの亡き夫がチャーミングで、話に深みを持たせていたように思う。ボリュームあるミステリー好きな方限定だが、とってもお勧め!2014/06/25
kaoru
40
ヴァチカンの教誨師マルクスと報道カメラマンの夫を亡くした写真分析官サンドラの運命が連続殺人事件の捜査で交錯する。舞台がローマなので『天使と悪魔』を彷彿するが、イタリア人作家だけあって遥かに複雑で陰影に富む物語。カラヴァッジョの絵画が何度も言及され、様々な聖堂も登場する。悪の本質とは何かという議論、生物変異体の謎、そしてマルクス自身の出自の謎も相まって、読みごたえはあるがミステリの枠内に閉じ込めるのはスケールが大き過ぎる話だと思った。ローマは奥が深い。まだ2冊しか書いていない著者の今後に大いに期待したい。2020/09/22
しましまこ
11
二作目、面白かった。若い女性を狙った連続誘拐殺人事件を追う記憶を失くした神父、夫の死の謎を探る警官。現在と過去目まぐるしく変わる時間軸のなかで徐々に明かされていく事実。告解を元にしたヴァチカンにある世界最大の犯罪記録保管所、教誨師、生物変移体。前作同様、スピード感があって最後まで一気に読めた。原題は魂の裁判所を意味するそうだ。警察と手を組んで犯罪捜査に協力する聖職者がいるというのに驚いたな。ブラウン神父とはまったく違います(笑)2014/06/15
naminnie
9
これでもかとばかりに謎が詰め込まれてあれ?あれ??と思ってどんどん読み進めていくと、こんな展開かぁ!!!!と…。すごいですねーー、いっぱい色んなことが入っていたし、ドキドキ、まさにサイコサスペンスなのでした。面白かった!!!2014/07/27
わたなべよしお
9
実は「Q」と平行して読んでいたので多少、内容がこんがらかってしまったけど、期待にたがわず面白かった。人物造形はイマイチのような気もするけど、さまざま事件がこれでもか、と起こって、内容に厚みもあった。長い本だが、最後まで飽きさせなかった。2014/06/14