内容説明
電話の向こう側には、感動があった。
あなたがかけた通販の電話。沖縄につながってるって知ってましたか?
東京の商社をリストラされた理美は、故郷の沖縄に帰った。しかし、働き口はコールセンターしかない。いやいや面接に行ってみたものの、その近代的な設備に圧倒され、働くことを決意する。研修がはじまった。役を演じろ、ウイスキーの顔を作れ! など、はじめて聞かされることに戸惑う日々。そして、実務につく日がやって来た。クレーマーにおせっかいおばちゃん、かまってちゃんなど、トラブルにてんやわんや。そんな理美が、会社の代表として「電話応対コンクール」に出場することになる! 手に汗握るコンクールの結末は? 果たして理美は、日本一になれるのか?
あまり知られていなかった業界のディティールと、そこで働く女性の成長を描く、本邦初のコールセンター小説の誕生です!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hundredpink
39
沖縄お仕事小説2020/05/30
dr2006
38
沖縄へUターンしコールセンターで働くことになった一人の女性の物語。地方では非正規雇用の一助となっているとは聞くが、コールセンターが請負う業務は、販売に留まらず問い合わせ対応やクレーム処理等多岐に渡っている。センターで働く人は本名を名乗らず、委託元の社員であるかのように演じきるのだそうだ。それは、クレーマーのような横柄な相手にも感じ良く冷静に対処する方法の一つらしい。この作品でコールセンターの仕組みを内側から知ることが出来て良かった。自分は普段コールセンターを殆ど利用しないが、イメージが+に変わった(笑)2019/03/30
ユズル
25
コールセンターは山ほどあります。どの会社でも独自の会社ルールがあるのでしょうが、この物語のコールセンターが実在するのなら、芸名(?)を名乗って仕事をする所もあるのでしょうか(・・;)あまり小説でこういう現実的なのは読むのを避けていたのですが、なんとなく読後感は爽やかで、前向きに仕事をしようと思いました…たぶんすぐ忘れるけど(((^_^;)2014/07/13
coco夏ko10角
21
沖縄でのコールセンターのお仕事。初めて知ることもあり、さらりと読めて面白かった。2017/09/26
生田目 房一郎
13
沖縄、那覇新都心が舞台。米軍基地のあった所で、返還後に開発が進んで国際通りに迫る賑わいを見せている。作者は東京出身なのに、その手の感慨やジレンマなどをすっぱり表現。東京から戻って、コールセンターに勤める理美ことリーミー。生まれ育ったコザの町からおもろまちに通う。やさぐれたクレームを入れる人間に入れこんで何になると常連店の、これまた消極的なアドバイス。電話応対コンクール。 音楽に溢れる地、会話もチューニングが大事。読メでも回線や電線、グリッドマンでは怪獣が送りこまれ、人同士の点と点はいろんなものが結ぶ。2020/12/06